240326 【現代ビジネス】寄稿:“ソフトパワー戦争”でも「中国の苦しい立場」が浮き彫りに...東南アジアをかき回した「テイラー・スウィフト争奪戦」
日頃から英語(系)メディアを読んでいる方はさんざん目にしたはずの話題なんですが、日本語メディアにほとんど真剣に取り上げられている様子がなかったので、書きました。たぶん、日本のマスメディアには、記事中の香港議員たちと同じように薄ら笑いして「エンタメ話題」程度としか思われていなかったんだろうな……
実は、テイラー・スウィフトのシンガポール公演がアジアに与えた衝撃はすごかったんですよ。もちろん、その動員数、そして観客たちがこぞってシンガポールに集まり、たっぷりお金を落とした……という点もそうなんですが、米国公演も始まっていなかったときにシンガポールがスウィフト側に打診を始めたという点、さらにはシンガポールでの公演誘致主催権が民間から政府の手にわたっていたという裏話、その結果が、「国家予算で支援して、その数十倍の経済効果を得る」という形になったことです。
もちろん、「国家予算で海外アーティスト呼ぶ」なんてどーなのよ?と思うのもわかる。でも、海外の交響楽団とか、スポーツチームや試合丸ごとの誘致に公共予算が使われるのはもう普通になっていますよね? その延長としての「スウィフト誘致」がなぜ悪いといえるのか? そこのところを考えてみてほしいんです。
そして、香港の議員たちのほとんどはまずその意味にとんと気づいていなかった。中国は、というと、よーく考えたからスウィフトの誘致ができなかったわけです。
いろいろおもしろいスウィフト旋風について、ご存じない方はぜひ御覧ください。
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