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250224 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】「なぜ救えなかった?」台湾トップスター・大Sが来日中にインフルエンザで急死~問われる“日本の医療の壁”

「大Sが、日本で、インフルエンザで、亡くなった」というニュースには本当にびっくりした。

筆者は特に大Sや彼女が主演した人気ヒットドラマ『流星花園』のファンではないが、それでも彼女にまつわるニュースや話題は普通に目に入ってくるほど、彼女の存在は中華圏では大きい。まぁ、世代的な幅は多少あるが、テレサ・テンがタイの自宅でぜんそくの発作で亡くなったときくらいの衝撃はあった。

そういえば、あのときもテレサ・テンの持病の話、そして「台湾(香港、日本)なら死ぬことはなかった」といった話が人々の口に上り、それぞれが私見を交えて「わたしこそが正しい」的な、しかし亡くなった当人や家族にとっては自分勝手な意見が飛び交っていた。でも、いつしかそれも過去の出来事になり、人々はすんなり、その死を受け入れている。

今回の出来事はそれに近い効果を生んだ。確かに、わずか48歳で、それもインフルエンザで、日本の病院に緊急入院しながら、亡くなったというのはいろんな意味で驚きだったが、それにつけ込むように日本在住の華人、特に中国出身者の間から、「日本の医療はそれほど大した事ない」的な私見がネットやメディアに流れ出したことがとても気になった。

まぁ、SNSはもとより個人的な意見のあつまりなのでほっておくとしても、ある程度影響力を持つメディアが、書き手の勝手な主張や意見や思い出話を連ね、「日本の医療はたいしたことない」という結論にしてしまった記事を掲載するのは、さすがに不謹慎だと感じていまる。

実際に医療現場に携わる複数の友人(日本人、華人)にも意見を聞いたが、やはりみんなその主張にはしっくりきていないらしい反応が返ってきた。

多分、現場をよく知る医療関係者はわざわざそういった記事には反論しないはずだ。一方でマスメディアはこの話を取り上げようとしていない。なので、前述したような友人、そして日本にやってくる外国人に日頃から接触する知り合いの話を聞いて、また筆者個人のもつ情報から反論と「主張者たちの思い込みによる間違い」をまとめた。

但し、日本における外国人旅行者(=短期滞在者)に対する医療アクセスの問題は、今回吹き出した不満や行き違いなどの現状をきちんと見極め、真剣に改善されていくべき部分は少なくないと感じている。

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