【読んでみましたアジア本】2025年を前に読んでおきたい、お薦めアジア本5冊

2024年も最後1週間。今年は正月早々、能登半島沖地震が起き、羽田空港では航空自衛隊とJAL機の衝突と、とにかくあまり心穏やかではなく始まったので、あまり良い思い出がないという人もいるだろう。筆者も同じで、個人的な体験でも納得いかない出来事が多かった。

そんな気持ちを整理する意味でも、年始年末は思い切って読書に没頭するのも良いかもしれない。どうせネットを開いても、テレビをつけても、毎年似たようなテーマで準備された記事や番組が並ぶ。そんなときに「自分なり」の「ゲームチェンジ」を、いつもは手に取らないような本を手にすることで試してみるのもよいのではないだろうか。実は著者もすでに準備してある。

それにしても、やっとのことではあるものの、少しずつ、日本で出版されるアジアに関する本が増えてきたような気がしている。

もちろん、それは2024年に始まったというよりも数年にかけての動きを指しており、去年一昨年ずっと「アジア本少なすぎる!」と繰り返していた筆者は、実はそうやって出版されていた本に「巡り合っていなかった」という反省もある。だが、その「巡り合いの可能性」も含めて、やはり日本語で書かれた質の高いアジア本に巡り合うにはまだまだハードルが高いという点はやはり問題である。

筆者は「毎月最低1冊はアジア本を読む」と義務付けたお陰で、日頃からチャンスを見つけては目にしたアジア本をリスト化するようになった。ここ2年ほどはそうやって貯めておいた書籍の中からその時読みたい本を選ぶことが増えてきた。もちろん、公共図書館のリストも活用している。

でもやっぱり、普通に生活していたらそんな本が出版されていることすら知らないまま日々を過ごしてしまう。メディアや新聞、雑誌が取り上げる書評欄でも、その時の話題性に乏しい本はあまり取り上げられず、また実は同時期の複数の書評欄に並ぶ本はかなり重複しているのも事実だ。出版社が紹介してもらうのを目的に、献本しているからだろう。

もちろん、筆者がかかわってきた本もその恩恵に被ってきたであろうことも理解しつつ、でも読み手として本当に読みたい本に出会うのが難しくなったな、とも感じている。じゃあ、どうすればいいんだ?と考えるに、やはり自分が知りたいこと、理解したいことを発信してくれるインフォーマント(情報提供者)を見つけてフォローし続けるしかないだろう。

それは学者だったり書き手だったり、あるいは媒体だったりもするし、機関(出版社とか)だったりもするかもしれない。または熱心に本を読んでその感想を書き残す人たち(アマゾンや「読書メーター」などのサービスに存在)をSNSでフォローするのもいいのかもしれない。元Twitterが「X」になり、SNS界もさまざまなサービスに分散していて、一つ自分が満足できるインフォーマントを見つけるのも難しくなったが、自分が信頼できる情報を見つけるための努力を、現代人は忘れてはならなくなったと考えるしかない。

もちろん、この散文を読んでくださっている方が、筆者をあなたのインフォーマントと見なしてくださっていることにも感謝しているが。そのご期待に応えるべく、筆者もまた新たなインフォーマント探しを続けなければならない。


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