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240831 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】パリ五輪で中国人観客が自国選手に大ブーイング「醜いいじめ」はなぜ起きたのか?

今週からパリ・パラリンピックも始まりましたが、先に閉幕したオリンピックで注目を集めた話題を取り上げました。

16年前の北京オリンピックでは卓球の試合会場で中国人観客が自国選手の応援に夢中になりすぎて、世界中の卓球ファンの顰蹙を買ったという出来事がありました。筆者もその時初めて知ったのですが、卓球というのは本来静かな中でピンポン玉が響く音を聞きながら対戦するのが不文律なのだそうです。卓球は国技とはいわれるものの、中国人観客たちもそのことを知らず、生まれて初めての五輪(どころか、もしかしたら)現場観戦、さらに中国人選手の決勝戦でフィーバーしすぎてしまった……というのが真相でした。

今回のパリ五輪でまたも中国人観客の態度が話題になった……と聞いた時、まずそのことを思い出し、「そんなに中国人観客が押しかけたのか?」と思ったら、実際は違ったようです。卓球女子シングルス優勝戦で金メダルをかけて戦ったのは2人の中国代表選手。なのに、現場に詰めかけた中国人観客たちからベテランの陳夢選手ばかりにブーイングが浴びせかけられ、現場で観戦していた外国人観客たちはいたたまれなくなって、敢えて陳選手の応援に回ったとメディアは報道していました。

いったいなにがあったのか? 中国メディアはすぐさま、それを「飯圏」のせいだと書き、裏には「経済的利益が絡んでいる」と論じていました。でも、なにが「飯圏」(中国語が理解できれば、ファングループ、という意味であることはわかります)なのか、ファンのグループのどこにどう利益が絡むのか、どうしたら「愛国精神」発露の場である五輪で中国人観客が自国選手を詰り倒そうとしたのかがよくわからなかった。

ただの「いつものネット民の騒ぎ」かも、と思ったのですがしつこく資料を探してたら……ああ、こういうことだったのか、と。裏には中国の体制型スポーツ運営事情が関係していたのでした。

この裏事情、たぶん日本では(わたしのメルマガを除いて)初出です。どうぞ、ご一読ください。

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