【ぶんぶくちゃいな】2017年酉年、いまどきの春節
1月28日土曜日に迎えた、今年の春節(旧暦正月)は、そろそろ「お屠蘇気分」も終わりかけている。中国ではすでに2月2日の正月5日めから出勤が始まった人もいる。一方で会社によっては今週末までずっとお休み、11連休(正式な春節休みは1月26日から始まった)にしてしまったところもあるようだ。1年に1度の春節ゴールデンウィークは、国慶節のゴールデンウィークに比べて、経営者も休みたいから甘くなりやすい。
そしてこの春節から中華圏でも酉年が始まった。
春節といえば、日本が思い出すのは訪日客の話題一色だ。現時点では今年、実際にどれだけの中国人観光客たちが日本を訪れたのかの正式な統計は出ていないが、中国国家旅游局が明らかにした数字によると、この春節に海外に出かけた中国人の数は昨年に比べて7%増の615万人に上ったという。
今年は特に北京や上海、広州、深センといった消費に敏感な大都市の住民だけではなく、地方都市、内陸部でも海外旅行に出かける人が増えたそうだ。
ただ、前述の615万人のうち団体旅行客の数はわずか6%の37.4万人(それでも前年に比べて2.5%増)だそうだ。日本では中国からの団体客をアテにしていた土産物屋に思ったほどのツアーが来なかったという報道も流れている。しかし、前述した中国人観光客の全体数と伸び率を比べてみても、団体客にのみ特化した商売を続けていても、客足は余り期待できなくなっていくだろうことがわかるはずだ。
日本メディアの中国人客の報道も、まるでツアーでしか来ていないかの紹介が続いてきた。個人ビザの要件が緩和されて以来、実際は相当な数の個人旅行客が日本に来ているのに、彼らの姿よりも見つけやすい団体客を追いかけ回すことばかりにせいを出していた。
団体ツアーをアテにしていて「激減した」「爆買いがなくなった」と悲鳴をあげている人たちは、そんな腰軽メディアをうっかり信じたツケを払わされているといえるだろう。
メディアばかりではない、観光客が集まる現地でも、ほんの一部の「異文化」や「習慣の違い」あるいは「マナー違反」をこれ見よがしにあげつらい、嘲笑することに一生懸命で、マナーを守り、丁寧に日本の旅を楽しんでいる中国人旅行客がもっとたくさん、そこかしこにいるのに気づいていなかったというわけだ。
●春節消費はなんと13兆円!
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