【ぶんぶくちゃいな】「死人に口なし」孫文生誕150周年
先週土曜日、11月12日は「中華民国建国の父」孫文の誕生150周年だった…らしい。
「らしい」というのも、先週の中国では、その前日11日がちょうど「11月11日」と「1」が4つつく「独身の日」として、そしてネットコマース大手「アリババ」が数年前から仕掛けているネットスーパーセール「双11」だということで注目されていた。結局アリババは11日の午前0時0分から午後11時59分までに、過去最高の1207億元(約2兆円)を売り上げてこの騒ぎは幕を閉じた。
だが今年の「双11」はいつもと違った。ここ数年毎年のようにその様子や、何がどう売れたのかというニュースの大きな割合を占めたが、今年はこの日が終わるとさっさと「双11」はメディアのトップから消え去った。過去最高の売り上げの陰で、人々の「双11」ショッピング熱は確実に減退しつつあるのだろう。
先週は「双11」の直前から人々の注目を呼んでいたニュースがあった。6歳の少年が古井戸に落ち、必死の救援活動の結果、102時間後に地上に引き上げられたが、すでに死亡していたという事件だ。少年の親はともに地元を離れて出稼ぎに出ており、日頃は祖父母に預けられていた。足場が悪いために救助活動が遅れ、最終的にショベルカー数台を投入して救援活動が拡大された結果、引き上げられた少年はまだ身体が温かかったという噂もある。だが、収容された病院で死亡が宣告された。
メディアには引き上げていくショベルカーやダンプカーの列に、土下座して謝意を示す少年の祖父の姿が流れた。偶然にも先週は、出稼ぎに出た両親と分かれて農村で暮らす「留守児童」が全国に900万人いると発表されたばかりだった。この事件はそうして農村に残された子どもたちの哀れさを印象付けた。
だが、この現実はどんなふうに変えていくことができるのか? この事件をきっかけに新たな政策に政府が取り組んでいるという話も聞こえてこない。
そして海外では米大統領選でトランプ氏が大方の予想を覆して当選し、大騒ぎになっていた。そんな最中の「孫文生誕150周年」はそれほど大きなニュースとして扱われていなかった。
●「共産党は孫文の正統な継承者」…?
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