【ぶんぶくちゃいな】クリスマスイブに消えた生命

クリスマスイブの24日朝6時、羅一笑ちゃんが逝った。6歳になったばかりだった。この知らせは、多くの人たちに悲しみというより、何とも言えない思いをもたらしたことだろう。

深センの病院に入院していた羅一笑ちゃんが中国中の人たちに知られることになったのは、今年9月に父親の羅爾さんがネットで発表したエッセイがきっかけだった。

《23日午後6時、笑笑の病状がまた悪化し、ICUに入った。

ICUにベッドが運び込まれる際、わたしは笑笑の耳元で『きっとよくなって出てくるんだよ、ベイビー』と元気づけた。涙がぼろぼろとこぼれ落ちた。

文芳はわたしの肩につっぷして泣いた。ICUは1日1万元(約17万円)もかかる。彼女の悲しみは我々にはそこまでのカネがないこと、さらにわれわれを辛くさせるのはそのカネを使っても笑笑の命を助けることができないかもしれないことだった。》

ラッキーだったのは、羅一笑ちゃんの白血病治療のために羅爾さんの知り合いが経営する企業がスポンサーになってくれた。そして、11月30日までに羅さんが書いたもう一本のエッセイがネット上でシェアされ転送されるたびに1人民元(約17円)を出し、最終的には最低2万元(約34万円)、最高50万元(約850万円)を提供するという約束が結ばれた。

その結果、羅さんも自分のSNS「WeChat」のアカウントで前述のエッセイを流した。すると、多くの人たちの涙腺を刺激し、こちらも多くの人たちが転載を始めた。そして、羅さんの一笑ちゃんへの思いに心打たれた人たちが誰からともなく、「WeChat」の「おひねり」(読者から筆者への心付け支払い機能)を利用して羅さんにお金を届け始めた。その結果、11月30日までになんと250万元(約4200万円)を超えるお金が羅さんのWeChatアカウントに集まった。

●暴かれた裏側

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