「香港デモ=若者」の報道はやっぱり間違いだった
先週、香港で開かれたあるサロンで中文大学の李立峯教授が明らかにしたサンプル調査統計によると、
6月9日(100万人デモ)の参加者のうち30歳以下は44.5%、
16日(200万人デモ)では同57.1%、
17日(政府ビル包囲)は同81.4%、
21日(警察本部ビル包囲)では同91.7%、
26日(夜間セントラル集会)は同75.8%
だった。
つまり、9日のデモの時に日本メディアの多くが書いた「参加者は若者たちが大半」という言い方は、わたしが指摘したとおり、まったくの間違いであることが明らかに。その後次第に30歳以下の参加者は増えているものの、200万人規模デモですら57%ということは、やはりこれもわたしが主張したとおり、若者だけではなく年長者が街に出てこないとこの数には達しない、ということを証明した形だ。
6月9日の香港デモを日本メディアが「若者中心」と書いて報道した理由は、
①記者のほとんどが香港の日常と社会構成をよく知らない
②香港人は日本人の目で見ると若めに見える
③たとえ中国慣れしている記者の目で見ても(あるいは中国慣れしているからこそその目には)、香港人は若く見える
④雨傘運動の「取材後遺症」でデモは若者がやるものと思い込んでいた
が原因か。
以上は香港居住の日本人のほとんどが指摘していたことでもある。つまり、現場取材にかけつけた日本人記者たちは「香港シロート」ばかりだった。住んでいる「一般日本人」のほうがずっと香港に馴染んでるから、デモ参加者をきちんと見分けることができた。
なぜかしらんけど、日本の「香港が気になっている」人たちはメディア関係者も含めて、香港のデモは「若者がやる」と決めつけているところがある。
でも香港は長年、天安門事件抗議集会を開いていて、そこに集まってくる人たちは年齢層高い。たぶん、日本の社会運動の現状と比べても年齢層は広いはず。
雨傘を単純に自分が目にした結果から、SEALSと相対比較しちゃったりしたことで、日本のメディアにも一般社会にも「香港の集会デモ=若者の祭典」だというイメージが染み付いているのも原因。
もっときちんと、統計やメディアの声を拾うべき。だいたい、香港ではメディアでも若者メディアだけじゃなく、中年どころ以上のメディア人も相当ガチな活動家意識をもってるんだがねぇ。特に昨今メディアで働いている人たちは安い給料で大変苦労しているから、日本の会社員記者に比べて「理想」に対して敏感だ。
ところで、香港主権返還記念日である今日の午後予定されているデモは100万には達さず、最大でも80万人程度ではないかという予想が流れている。これは、先月続いたデモ&抗議活動疲れと、今日は3連休になっていることから旅行にでかけた人も多いはず、という分析。でもすでに恒例になっている7月1日対政府デモとしてみると80万は過去最大。
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