【ぶんぶくちゃいな】「#MeToo」の遺憾、中華と西洋の距離

12月6日、米誌「TIME」が1年に1度、同誌が選ぶ「Person of the Year」(今年の人)に「沉默を破った人」と称して、過去セクシャルハラスメント(以下、セクハラ)を受けたことをその相手を名指して公表した女性たちを選んだことが話題になった。

ハリウッドの映画製作者や俳優たちに対する著名女優たちやアーティストの告発が、メディアや企業、政治関係者へとあっという間に広がり、今週になって元コメディアンの上院議員が女性兵士の告発で辞意を明らかにした。一連のセクハラ告発の被害者として名乗り出た中には男性も含まれ、アメリカは大騒ぎになっている。

ツイッターやフェイスブックなどのSNSでは、「#MeToo」(わたしもよ)というタグをつけて告発が続き、すでに少なくとも85カ国で数百万回シェアされたという。英語の「#MeToo」のみならず、フランスやイタリアでは独自のタグがつけられ、スペインやラテンアメリカでもスペイン語で「#MeToo」に当たるタグが使われて女性たちの告発が噴出した。

そして、香港にも飛び火した。11月30日、香港陸上競技界のホープ、呂麗瑶さんが自身のフェイスブックアカウントで、「#MeToo」とタグを打ち、「元コーチにセクハラされた」と書き込み、香港はハチの巣をつついたような大騒ぎになった。

この日は、呂さんの23歳の誕生日だった。

●金メダリストに背中を押され、「#MeToo」

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