関西電力のプランは「従量電灯A」から変えてはいけない
狡猾な罠すぎるのでまとめました。
「なっトクでんき」プランにしてる人へ
その電気代、本当に元々の「従量電灯A」よりも安いですか?
「料金シミュレーションで安くなるって出たよ!」
……果たして本当にそうでしょうか?
関西電力のサイト(はぴeみる電)で電気代シミュレーションをすると、こんな感じになります。
なっトクでんきに変えた方が、月々300円ほど安いらしいです。
…ですがここに載っている料金、嘘が混じっています。
例えばとある月の実際の電気代はこのようになります。
シミュレーションでは安いはずなのに、実際は高くなっている。
電気代は今月の値、シミュレーションもこの1年分の値なので、どちらも最新の情報を使っています。
どういうことでしょうか。
電気代シミュレーションは電気代全額…?
…と見せかけて、実はそうではありません。
ここで計算している料金は以下の「電力量料金」のみです。
たしかに、これだけ見ればなっトクでんきの方が安い。
シミュレーション通りといえます。
…ですが、実際に電気代として払うのはこれだけではなく、
電力量料金(上述のもの)
再生可能エネルギー発電促進賦課金(プランで差異無し)
燃料費調整額
の3つの合計金額を払うことになります。
重要なのが一番下、「燃料費調整額」です。
これはその月の燃料費(原油・LNG・石炭価格)によって変動し、
例えば2023年8月はこんな感じです。
仮に月300kWh使用した家庭の場合、この燃料費調整額は、
従量電灯A………………ー1428円
なっトクでんき………ー324円
という計算結果になります。
…つまり、従量電灯A⇒なっトクでんきに変えることで、
電力量料金はシミュレーション通り月300円安くなるが、
燃料費調整額が月1000円ほど高くなってしまい、
電気代(合計)ではなっトクでんきの方が高い、というオチになるわけです。
…これを読んでいる現在「なっトクでんき」を契約中の方へ。
悪いことは言わないのですぐ乗り換えましょう。
ちなみに従量電灯Aへの変更は電話でしかできません。
新プランの方が高くなってしまう理由
環境エネルギー庁が分かりやすくまとめています。
一番の原因はここ数年のウクライナ情勢等による
「想像以上の燃料費高騰」です。
先ほど登場した「燃料費調整額」は、燃料費が高くなれば上がり、安くなれば下がります。
昨今の情勢で燃料費は上がりまくっているわけですが、この調整額には"上限"があり、燃料費が上がりまくった場合でも、燃料費調整額は一定額でストップするようになっています。
…ただし、この"上限"は旧来からあるプラン(従量電灯Aなど)限定の仕組みで、新料金プラン(なっトクでんき)には存在しません。
そのため、上限のないなっトクでんきは調整額が上がりまくり、
従量電灯Aよりも電気代が高くなっていたというわけです。
ちなみに先述の調整額はともにマイナスになっていましたが、
これは政府の緩和策(補助金的なもの)によるものです。
本来であればプラスの金額になっています。
契約プランによらずこの補助額は同一なので、価格差自体は変わりません。
まとめ
というわけで、燃料費がバカ高いうちは調整額で圧倒的に損するので、なっトクでんきは契約しないようにしましょうというお話でした。
燃料費調整額が上限に当たらないレベルまでに下がってくれば、シンプルになっトクでんきの方が安くなるのでその時は変え時かと思います。
シミュレーションで実際の電気代全額を出してくれないのが本当に意地悪で、これを鵜呑みにしてずっとなっトクでんきを続けてる人も多いと思います。
一方でこれを機に皆が従量電灯Aに戻すと収入が減って電気代値上げ、とかもあり得るのでなんとも強く言い難いところではありますが…複雑…。
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