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表意文字の放棄

 ひらがなの地名が増えていますね。
 青森県のむつ市、つがる市、なぜ陸奥市、津軽市じゃないのか。秋田県のにかほ市は仁賀保市じゃだめなのか。つくば市は筑波市で、いわき市はなぜ磐城市じゃなかったのか。さぬき市も讃岐市のほうが、たぬき市に間違えられないのに。
 ひらがなのほうがやさしい、のは分かりますけど、べつにひらがなが新しいとは思わない。でも、そんなイメージがあるんでしょうね。埼玉市はダサいけど、さいたま市なら許せる?

 名前には意味があるんです。意味と思いを込めて、名前にそれを託すから漢字を使うんです。ひらがなには意味がないのです。「希望」には未来に望みをかけるという意味があるが、「きぼう」にはそんな意味はない。
 漢字を表意文字、ひらがなカタカナは表音文字といいます。漢字には意味があります。意味はつまり魂です。ひらがなカタカナは音だけですから、そこに魂は込められない。
 ですから、ひらがなの名前も、なんだか寂しい気がします。「はる」ちゃんという女の子の名前、かわいい名前ですけど、「はる」にどういう思いを込めたのか、春なのか、張なのか、華なのか、波留なのか、そこに名付けた親の思いが本来はあるはずなのに、ひらがなだとそれはない。
 なんとなく漢字離れになっていますよね、世の中が。日本は将来ベトナムのように漢字を放棄してしまうのか。漢字は文化です。漢字をもっと大事にしてほしいと思います。

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