生理用ナプキン革命@🇮🇳〜5億人の女性を作った男〜
『目を瞑って。私があげるものは、ダイヤモンドでのペンダントではないし、ダイヤモンドの指輪やチョコレートでもないけど、キラキラの紙に包んだびっくりするものをあげるからね。』
妻を喜ばせたい一心で、生理用ナプキンを作り、インドに生理用ナプキン革命を起こしたアルナーチャラムさんの素晴らしいお話をご紹介☺️💚
Arunachalam Muruganantham: どうやって私は生理用ナプキン革命をはじめたか!
妻が隠した汚い布切れは何?
愛妻家のアルナーチャラムさんは、妻の喜ぶことなら何でもしたい!そんなことを常日頃から思っていたよう😌
ある日のこと。アルナーチャラムさんの妻は、バイクの拭き掃除にも使わないような汚い布切れをもって外に出ました。なんだ?と思ったアルナーチャラムさんは、それが何か聞いてみます。なんだったでしょう。それは、当時(2001年頃)の地方に住むインド人女性が生理中に使用していたナプキンの代わりに経血を処理する布です。2001年ですから、ナプキン自体の販売はなされています。しかし、それらのナプキンの価格は、地方のインド人女性からすれば、非常に高価なものだったのです。妻曰く「ナプキンなんて買ったら、バターどころかミルクも買えない!」「宝くじが当たったら買う物よ!」と。
アルナーチャラムさんはびっくり。だって、経血の処理は非常に非衛生的なやり方で、まるで禁制のことのように扱われていると知ったからです。そのころのインドのナプキン使用率は、たったの12%。布切れなら、まだましかもしれない。なぜなら、当時の女性たちはそれ以外に、葉っぱや灰(灰!?)をナプキンの代わりに使用していたそう。その影響で、病気を患ったり、妊娠できなくなったり、命を落とす人すらいたそうです。
愛妻家のアルナーチャラムさんは、そんなことが妻にあったらたまったもんじゃない!と、ナプキンを作ることにしました👏👏(インドで!!!)
女は女としか女の”穢れた”話をしない
しかし、当時のインドで生理用ナプキンを製造するなんてそう簡単なことではありません。Netflixに、アルナーチャラムさんの実話を基にした「PAD MAN」という映画があります。
作中では、「女は女とでしか、女の話をしない」というセリフがあります。さらに、物語の中盤で初潮を迎えた女の子に『娘が年頃になった証拠だ』と、まるで祭りのようにお祝いをしているシーンがあるのですが、もちろんそこいるのは女性だけ。生理の話は女性だけがする話で、男性の前で生理の話をするなんて恥。「恥をかくなら病気で死ぬ方がまし。」そんなことが言われていました。
「不衛生な布切れを使ったら病気になる。」「穢れているから隠さなければならないなんてバカげたしきたりだ。」アルナーチャラムさんの主張は間違っておりません。しかし、村人たちはアルナーチャラムさん(作中ではラクシュミさん)を変態呼ばわり。さらに、作ったナプキンがきちんと役割を果たすかどうかを医学生に協力を頼んだら、なんと村中で浮気を疑う噂がされます。妻にさえも「女の股になぜそんなに興味があるの?狂っているわ。」と言われてしまい、離婚の危機にまで。村人には呪われろ!と言われてしまいます。
けれど、アルナーチャラムさんはずっとナプキンを製造し続けます。時には、経血の代わりに食肉の血をポンプの中に入れて、自分の下着にナプキンをつけて効果を試すなんてこともしました。
すべての女性の身体を健康に
遂に、4年もの年月をかけてナプキン製造機器を成功させたアルナーチャラムさん。その単純に作られた機器は、田舎の女性でも多国籍企業と同じ材料のナプキンを家庭内で作ることが出来ます。
素晴らしいのは、それだけではありません。アルナーチャラムさんはナプキンを製造する過程で、妻を喜ばせる目的以外に、国内の12%しかナプキンが普及していないインドにおいて、すべての女性の身体が自分の身体を大切にして健康でいるためにナプキンの使用率を100%にする目的も生まれました。
しかし、冒頭に述べたよう高価なナプキンはそう容易には手に入りません。だからこそ、アルナーチャラムさんは自分の苦肉の策の末に発明したナプキンを、安い価格で提供し続けるのです。
アルナーチャラムさんは言います。
なぜお金を貯めてから慈善活動をするのでしょう
なぜ慈善活動に向かうのは後回しなのでしょう
たとえ特許を取得しても、お金を稼ぐことではなく“地方生理用ナプキン運動”が普及すること。それが、アルナーチャラムの願いです😌
長くなりましたが、最後までお読みくださりありがとうございました😊💚