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黒人差別を考えさせられる絵本

英語多読(6)

Goin' Someplace Special

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YL1.5-2.0/1596語。読書時間:15分。

絵本。黒人の女の子がおばあちゃんに「特別な場所へ一人で行ってもいい?」と台所でわくわくしながら外出許可を取るところから始まる。一人でバスに乗り、寄り道しながら、White Onlyの隔離政策でトラブルにあいながらも自分自身を励まして、最終目的地である特別な場所へ到着する話。最後のページまで、目的地はどこなのかはわからない。なぜ、この場所が特別なのかが、最後のたった一文でわかる。「お~」と感動した。

著者のあとがきも、良かった。米国テネシー州ナッシュビルの黒人の隔離政策(segregate)時代を過ごした著者Patricia McKissackの母親(もしくは祖母?うるおぼえ…)に聞いた話を元に、若干の脚色を加えてはあるが事実をベースにしているらしい。1950年代の黒人の子供たちは12歳くらいになるまで一人で外出することを親たちは許さなかったことや、この物語の一番大事な結末について補足も。黒人差別についての濃い情報があとがきに詰まっているので、飛ばさずに目を通してほしい。

「一人での外出」の喜びのドキドキが、White Onlyのルールを目にするたびに、緊張感漂うドキドキに変わっていく主人公の心情が表情豊かな美しい挿絵のおかげで、よく伝わってくる。誤ってWhite Onlyの場所に入ってしまい、白人の子供や大人に「何でここにいるんだ、お前はでていけ」と𠮟られてしまっても、その場では涙をこらえるシーンはとても切なかった。これが70年前のアメリカでは当たり前だったことを思うと、「そんな最近のことなの?」とびっくりしてしまう。

12歳まで一人で外出させなかったのは、White Onlyの黒人の子が立ち入ってはいけない場所や隔離のルールを理解ができいな子どものうちは危ないから。12歳ごろまでは黒人の子供たちは常に大人と一緒に外出をしていたそう。なので、主人公が物語の冒頭で祖母から「もう、大人になったからいいでしょ」という会話をしていたのか、と「一人で外出」の重みを理解するともっと切なくなる。

一人で外出することがまだ難しい年の女の子が、一人で外出をしてしまって失敗された絵本のことを思い出す。White Onlyの意味を間違って解釈し、白人の大人から暴力差別を受けてしまう絵本がある。

タイトルは…

White Socks Only

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YL/語数不明。(YouTubeの視聴で済ませたので、読書はしていないので読書時間もなし)

去年、タイトルにひかれて、気軽な気持ちでYouTubeのStorylineという俳優たちが絵本を朗読してくれるチャンネルで視聴したところ、結構ヘビーな黒人差別の話で衝撃を受けた。

"Goin' someplace Special"よりも白人からの差別が暴力的。少女の周りにいた黒人の大人たちが、暴力ではなく行動で白人への抵抗を示すと、激高した白人の男たちが集団でベルトをムチがわりにしてぶつ。そこへ、黒人の黒魔術を使えると噂される人物がやってきて、仲間たちを無言で助けるという話。

"White Socks Only"も"Goin' someplace Special"も、差別に負けない心の強さを持つことがかかれている。

中学校の英語の教科書で出てきたバスでWhite Onlyの座席に座って断固として降りることをしなかったRose Parksのように、面と向かって白人に立ち向かうとのも強さもだけど、"White Socks Only"の少女の周りにいた大人の子たちや"Goin' someplace Special"の主人公のように、暴力ではなく心の強さで立ち向かう姿も、かっこいいと思う。

日本の戦争の話の絵本もだけど、負の歴史の絵本を読むと何とも言えない気持ちになる。

黒人差別の本の話はここで終わり。


4日目に読んだ他の本は以下のとおり。

Nate the Great Talks Turkey

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YL2.0-2.5/4527語。読書時間:30分

1日目に一番最初に読んだ"Nate the Great"シリーズ。本のタイトルからはシリーズが別になっていることに気付けなかった。主人公が幼稚園児から小学生(?だと思われる。もしかしたら年長かもしれない…)に成長していて、対象の読者年齢もあがっている。イラストレーターが"Nate the Great"とは異なる。このイラストレーターの絵も素敵で、私はどっちの絵のタッチも好き。NateのいとこのOlivia Sharpという女の子が登場し、章によってはNateではなくOliviaが主人公に代わる。まさか主人公が変わると思わず、一瞬「ん?今、しゃべっているのはNate?え?え?」と戸惑った。主人公が代わると章もかわり、冒頭の挿絵が代わるので、そこで主人公の交代を判断するようになっている。これまでの絵本・児童書で主人公が物語の主人公が作中で交代することはなかったので、びっくりした。

あいかわらずNateは探偵ごっこをしている。今回は七面鳥を探す物語。母親へ手紙を残して外出するのも変わらない。近所に住んでいる友達も成長していて、「成長してる~」と嬉しくなった。子どものころに主人公と同じ年齢に本を読んでいたら、もっと嬉しくなるんだと思う。

文章が単調なのも"Nate the Great"と同じ。ほとんど一人称の「I」からの文章が多めで、「あ~、この単調な感じ、つらい…辞めてしまおうかな…」と10ページ目くらいで思ったけど、挿絵のおかげなのか、結末が気になったからなのか最後まで読み切れた。うーん、他の本は読まないかな~。

幼い頃のNate the Greatシリーズのほうは、気分転換に読みたい。謎に癒される。


Lunch Lady and the Field Trip Fiasco: Lunch Lady #6

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YL1.8-2.2/2145語。読書時間:30分。

漫画。"BabyMouse"(英語多読3)寄りの手書きタッチの漫画。主人公は小学校の給食のおばさん。YLがBaby Mouseと同じくらいだけど、私にはLunch Ladyに使われているフレーズや単語のほうが難しく感じた。主人公が、キッチン用品を元に自作したと思われる便利道具をいろいろ持っており(ドラえもんの秘密道具っぽい)、field tripで訪れた美術館で悪党を倒すというバトル漫画。また読みたいと思うけど、Lunch LadyだけでなくBabyMouseにも共通するが、イラストの雑さが気になる。日本の漫画に慣れているので、漫画の絵はともかく枠がぐらついているのが気になってしまう。


The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore

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YL1(?)/743語(from SSS書評検索

3日目に読んだ絵本をもう一度読む。かなり気に入っている。二度目なので一度目よりも短い時間で読めている。もっとゆっくり絵を眺めてもよかったかな…と思う。


英語多読4日目の感想

3時間の読書時間が確保できなかった。合計80分。

原因は、noteの記事(3日目)が1万字を超えてしまう大作になってしまい、その分、読書時間が削られたから。笑。

1万語になったのは、読んだ本の冊数が多くなったのが原因。自分の英語多読の記録のためにと始めたnoteなのだけど、英語多読の読書英語多読の読書時間が削られるという本末転倒なことが起きてしまった。反省。

今後はまず、3時間の英語多読を完了し、それからNoteを書こうと思う。笑。

4日目だけど、単語を飛ばし読みをすること、単語を調べないということに抵抗を感じなくなってきた。3日目に書いたけど、"Mercy Watson: Something Wonky this Way Comes"で単語が分かったときの閃きを大切にしようと思えたことが大きいのだと思う。気持ちの持ちよう一つでこんなに変わるとは。単純すぎるのでは?私の脳よ。笑。

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