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雨、床下浸水
東北地方の大雨、大きな被害が出ていて心配ですね。とにかく早く雨が止むこと、これ以上の影響が出ないこと、何より皆さんのご安全を心よりお祈りしています。
私の実家も、梅雨や台風の時期になると必ずといっていいほど浸水の被害を受けておりました。
とはいえ床下浸水だったので、今回のような災害とは比べものになりませんが。
それでも、毎年同じ目に遭っていた当時の親の心情。大人になった今では、察するに余りあるといった感じです。子供でしたが、私の膝丈くらいまで浸水したこともありました。
水害は、水が引いた後も本当に大変なんですよね。
ですが、そこは子供のこと。
何の責任もない子供にとっては、年に一度か二度めぐってくる床下浸水という非日常の出来事。
大人たちが慌てふためく様子と、目の前の道路が川か湖のようになる光景。
家族総出で水をかき出す作業も、本当に不謹慎ながらイベントのような感覚でおりました。
浸水が夕方や夜だったりすると、水が引くのを待ってからの大掃除。高校生の頃、夜を徹して作業した日がありました。親も子もクタクタ。
すると次の日は学校を休んでいいと言われ、これがまた嬉しかった‥。
そんな毎年の浸水被害も、地下に大きな貯水トンネルが完成してからはピタリと無くなりました。
最後に水が入ったのは父が亡くなって間もなくだったので、ちょうど10年前です。
足りない分の粗供養を買いに出かけた母の代わりに留守番をしていたところ、急な大雨。
ゲリラ豪雨と呼ぶべき降り方に、思わず嫌な予感。
延々と降り続く雨を見ながら予感は確信へ。
川が増水したために電車も止まり、母も帰るに帰れない様子。
実家は自営業なので、水が入りそうな高さまでの物を全て撤去。電源コードなども高いところへ持ち上げ、引き出しもすべて引き抜く。
そうこうしているうちにも、目の前の道路はどんどん水たまりになっていきます。
父の自作の止水版を設置して、後は運を天に任せるのみ。来るなら来い!と腕組みをしながら、道路の側溝蓋を凝視すること数分。
重い鉄の蓋がポコと動いたと思った次の瞬間。
水が待ってましたとばかりに溢れ出、店めがけてやってくるのが見えました。蓋のポコから店内へ水が入るまで本当にあっという間でした。
幸い浸水は舐める程度で軽く済みましたが。
こんなふうに語れる思い出としてならいいですが、
身の危険と隣り合わせの状況を目にすると本当に胸が痛みます。
大好きな我が家が壊されたり、
いつもの町の風景が一変したり。
そんな目に遭う人なんて、一人もいてほしくない。
どこに降るのも駄目だけど、東北の方たちが苦しむのは本当に見たくない。
早く雨が止みますように。
止んだ後も、どうか何事もありませんように。
そして、願わくば子供達はいつもと変わらぬ笑顔でありますように。子供の屈託のなさに大人は救われるかもしれないから。