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空飛ぶクルマ「2億円」は妥当な価格設定なのか

@ニュース分析

「空飛ぶクルマ」を開発しているスカイドライブは4月13日、個人向けの機体販売を開始したことを発表した。納期は2025年以降としており、価格は150万ドル(約2億円)とのことだ。

空飛ぶクルマが2025年以降の販売を目指しているそうで、価格は約2億円と想定されています。この価格を見て高すぎると思う人もいるでしょうが、私は妥当な値段だと思います。

なぜなら空飛ぶクルマは「小型飛行機と同水準の型式証明が必要」でかつ「スケールメリットを受けられない」からです。

型式証明というのはこれから発売しようとする航空機の型式(モデル)が安全性や信頼性、環境性の基準を満たしているかをチェックするもので、これがないと市場で販売することはできません。この型式証明を取得するのがなかなか厄介で、認証の対象は搭載されるすべての装置機器システムや工具、材料など、生産に関わる全てのモノがチェックされます。また、図面や製造方法、品質保証はもちろんのこと、社内のマネジメント体制や教育システムまで書類としてまとめ上げる必要があります。

ここまで厳格にチェックしているからこそ「型式証明のために提出する申請書類やレポート、設計書や図面、数々の書類などの紙の重さの合計は機体の重さに匹敵する」と言われたりします。三菱が開発していた国産旅客機MRJもここで躓きました。

つまるところ、安全性や信頼性が厳しく問われる航空機ならではの、極めて特殊な専門性と豊富な経験が型式証明では求められるのです。

ちなみに日本企業で型式証明の取得に成功した例としては小型ジェット機のホンダジェットなんかがあります。ただしホンダジェットの場合はノウハウが豊富な航空機の本場アメリカで型式証明を取得しました。しかも証明の取得に量産型初号機完成から4年以上はかかっています。

これほど難しい型式証明取得に取り組む必要があるんだから、空飛ぶクルマが2億円というのも納得できます。おそらく2025年までに型式証明を取得するのは困難で、今から5年以上はかかるんじゃないかなと予測しています。

また空飛ぶクルマは生産台数が多くないのでスケールメリットを受ける事ができません。世界で1500万台以上を販売したT型フォードを見ても明らかなように、工業製品では生産台数が多くなるほど、1台あたりの生産コストが安くなる傾向にあります。車はスケールメリットが効いているからこそ一般の人々の手にも届く価格になったわけで、試作機だったら数億円かかるのは当たり前です。

以上のように「型式証明」と「スケールメリット」の2つの点で空飛ぶクルマは不利な状況にあるので、2億円というのは極めて妥当な価格設定だと思います。

@わんこふの日記

最近「3月のライオン」という将棋を題材にした漫画を読んだのですが、これがめちゃくちゃ面白かったのでその感想を。

3月のライオンは羽海野チカ(うみのチカ)先生の作品で、主人公の桐山零と3姉妹と猫たちのほのぼのとしたやり取りがとっても可愛く描かれています。しかも可愛いだけじゃなくて、主人公たちが住んでいる街の川や橋が美しく、これを眺めているだけでも心が落ち着きます。

将棋に関しても棋士の先崎学9段の監修が入っており、なんちゃって将棋漫画ではありません。コラムを読めば棋士の生態(普段何をしているか、どうやって稼いでいるかなどなど)も知る事ができます。もちろん将棋の解説がメインではないので、将棋のルールを知らない人が読んでもちゃんと楽しむ事ができます。

ここまで3月のライオンの推しポイントを書いてきましたが、私が思う一番の推しポイントは「心理描写」です。ここまで登場人物たちの感情を解像度高く描けるうみの先生は本当に凄いと思います。

中学生でプロ棋士になった主人公の零(れい)をはじめ、幼い頃から腎臓病を抱える二海堂、お母さんの代わりに妹たちの面倒をみるあかりさん、友達をかばっていじめられたひなちゃん、地元山形の期待を一身に背負う島田さん。年齢も生い立ちも性別もバラバラなのに、まるで経験してきたかのように心の繊細な揺れ動き、不安定さを描ききっているのには脱帽の一言です。3月のライオン、ぜひ読んでみてください!

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