マクドナルドの看板が赤い理由
思い返してみるとマクドナルドやすき家といったファストフードの店の看板は赤系統の色をしています。また、中華料理屋やラーメン屋の看板やお店も赤い色が多いはずです。料理を見てもお好み焼きや牛丼に紅しょうがを乗せたり、サラダにトマトを添えたりすると美味しそうに見えます。人はなぜ赤色を見ると食欲が刺激されるのでしょうか?
その答えは植物の進化にあります。植物の中でも胚珠(種子になる部分)を守るために、胚珠の周りを子房で包んでいる植物を被子植物と言います。胚珠が剥き出しになっていた裸子植物から進化してきたのです。被子植物はこれにとどまらず、繁殖のために更に進化しました。その進化とは、子房を発達させて果実を作り、わざと食べさせるというものです。果実と一緒に種子を食べた動物や鳥は、移動しながら種子を運び糞と共に散布しました。しかし種子が未熟な時に果実を食べられては元も子もありません。そこで種子が熟すまで果実は葉っぱと同じ緑色で目立たなくして、味も甘みはなく、むしろ苦味を持つことで食べられることを避けました。やがて種子が熟してくると、果実は苦味物質を消去し、糖分を蓄えて甘く美味しくなります。そして果実の色を緑色から目立つ赤色に変えることで食べ頃のサインを出すのです。つまり赤色は熟した果実の色であり、人は赤色を見た時についつい吸い寄せられてしまうのです。
参考文献:稲垣栄洋,「面白くて眠れなくなる植物学」,PHP研究所,(2016)
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