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あなたの仕事の内容は話せる?
先月、同著者の『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』を読み、ダグラス・ラミス氏の主張に共感した。
以下でラミス氏の著書の感想を述べています。
よろしければ、お読みくださいませ。
ラミス氏は本のタイトルへのこだわりを感じ、政治哲学や経済学への関心が薄い僕には非常にわかりやすい。
労働倫理
マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
→働き、消費しない、楽しまない人間はいい人であって、働いて消費しなければお金が貯まるから、得点みたいな感じでたくさん集まれば、いかによかったかというモノサシみたいな、客観的なはかりになる。
(p29)
高度経済成長期以後の、人間の能力をすべて点数に換算して、それに相対評価で序列をつける日本の教育システム
高度経済成長期以後、産業社会の中のレースに勝つという、ワンパターンの非常に貧弱な人生観が固着してしまっている。
教育を受ける=学歴を獲得すること
学歴=おカネ
そう換算できるようなイメージとしてしか教育がない
⇒〈一元的な価値観、個の多様性を容認しない単線コースだけの人生観と会社生活の一体化〉
(p31)
休日神経症
ー>仕事を離れて休養したり遊んだりすると悪いことをしているような気がして、気持ちが落ち着かない、職場へ出ていくと落ち着ける状態
(p35)
新しい労働倫理
→抽象的なわけのわからない仕事をいっしょうけんめいやる人を尊敬するんじゃなくて、仕事の内容(なにをやっているか)をちゃんと答えられる人間を尊重する、いっしょうけんめい人を犠牲にして自然破壊をして、わけのわからないガラクタをつくっている人は、いいことをやっているんじゃなくて、あまりよくないことをやっている
⇒ガラクタをつくっていると同時に、人間までガラクタにしはじめている。それに参加して勝ち抜き競走で1番と言っているお父さんは半人間的な人権侵害をやっているんだ
(p42)
今日、「ブルシット・ジョブ」(クソみたいな仕事)という言葉があるように
介護や福祉、医療等のエッセンシャルワーカーと比較した際に
必要不可欠ではないのに何故か給料が高い仕事が巷で溢れている。
「文化はその時代のパワー層が創る」ことは、300年あまり続いた江戸時代や鎌倉時代の封建制度が物語っていると思う。
だから、優生思想などという「優れたものを優遇するために、劣ったものを排除しても全体幸福を考えた際に良い」とされるまさしく「ブルシット」な
思想があるのではないだろうか?
僕は、自分が障害の当事者であるから強く感じるのだが、障害には、重度から軽度まであり、それはグラデーションのようであり、一概に「障害だからこう!」と周りが決めつけるのはその子の自主性を奪い、秘めていた可能性を閉ざすと考える。
ぜひ、『ナゼ日本人ハ死ヌホド働クノデスカ』という言葉にゾクッとしたそこのあなた、一瞥の価値がある1冊です。