今年から始めた"釜炒り茶"について
どうも。昨夜のinstalive茶会で購入の際に迷わない様に茶種の特徴などを実況して説明したところ、熱が入りすぎて逆にどれを購入したらいいかわからなくなった。と言われた高木です〔途中から楽しくなって2時間ぐらいやってました〕
ご参加いただいた方有難うございました。
さて今日は今年から始めた"釜炒り茶について"というテーマでお届けします。
現在日本で知られる緑茶とは基本的に"蒸し製"という製法で作られており、この"蒸し"というのは摘んだ後の茶葉の発酵を止める際の工程です〔殺青と呼ばれます〕
それに対して今日ご説明する"釜炒り茶"とは
この殺青を行う際に"蒸す"事ではなく"炒る"事で殺青を行う手法です。
細かく言うと"炒り"での殺青と言いましても、高温によって茶葉から出る蒸気を使って"蒸し"のような状態にもなります。
八女鰐八の釜炒り茶は全て手作業の薪火を熱源に葉を乾燥して仕上げていきます。
釜炒り茶は日本にも生産は残っていますがこの全手工程の薪火釜炒りというのはかなり希少です。
摘む茶葉の量にもよりますが、半日かけて200gほどしかできません〔大きな釜ほしい〕
しかしただ希少なだけではなく、手間がかかる分の美味しさ、繊細さ、そして釜炒りならではの釜香というほのかに甘い香りなど釜炒りならではのやりがいは非常に多くあります。
なんと言っても楽しいんです。
ざっくり工程を紹介すると
手摘み〔手で一つずつ選んで摘むため非常に上質な茶葉が集まる〕
萎凋〔水分を安定させるために摘んだ後放置〕
萎凋する事で香りも豊かになります。✳︎萎凋はしない事もあります。
殺青〔釜に茶葉を入れる瞬間がたまらない〕
揉捻〔水分の均一化〕
乾燥〔じっくり水分を飛ばしていく〕
仕上げ〔乾燥よりも高い温度で最後の追い込み〕
仕上げのギリギリのせめぎ合いもまた釜炒りの魅力の一つで、攻めすぎると焦げたりほうじ茶のような香りになる。守りに入りすぎると釜香が出なかったり水分を飛ばしきれなかったりする。
この全手工の釜炒りをして良かった事は、摘み〜仕上げまで手作業でやるので普段の蒸し製の緑茶での機械で行う製茶の工程の意味がより深くわかるようになったこと。
茶葉の状態を見てどう言うお茶に仕上げていこうかを考えるという幅が広がったこと。
釜炒りを体験したいという来客が増えた事など
機械摘みではなかなか味わえないお茶作りを一緒にする事でよりお茶に興味を持っていただけると思います。
是非興味がある方はお子様などの体験としても非常に有意義なものになると思うので是非ご体感ください。
そしてなんと言っても奈良の心樹庵さんに伺ったときにぶちかまされた茶碗にレンゲスタイルでの茶を来客の際などにかませるようになったことです笑〔自己満かもしれませんが、、、〕
しかしデメリットが一つだけあります、、、
それはついつい日常使いのお茶でも釜炒り茶を飲みがちになり、蒸し製の緑茶が嫉妬していることです。。
ともかくこの時代にとって意味のあるお茶のバリエーションが増えた事は幸いな事です。
釜炒りの面白さを教えてくれたA Drop.のべったな氏にここで改めて感謝です。
釜炒り茶は気まぐれで販売しますので、是非アナウンスした際にはお試し下さい〔少量ですのでお早めに〕
釜炒りでの製茶も奥が深いのでさらに腕を磨いて味わいや香りの幅を増やしていきたいと思います!
ありがとうございました。高木。