
体液による腹部の大きな腫脹、ときには腸からの出血を伴うこともあり、意識障害をきたすことも
広く効くような抗生物質を点滴することがあります。そうすると、病気を引き起こしている細菌は死にますが、同時に腸の中に存在する良い菌やふだん悪さをしていない日和見菌まで死んでしまうことがあります。強い抗生物質の点滴によって、腸を整えてくれる良い腸内細菌が死んでしまい、ある種類の細菌だけが生き残ります。特定の細菌のみが繁殖すると、ひどい血便、下痢、腹痛などで患者さんは苦しみ、重症化すると死亡することになります(中略)抗生物質によって生まれた病気に対して、さらに抗生物質を使う。イタチごっこというか、後手後手の印象があります(中略)患者の治療のために行われた医療行為が、新たな疾患を引き起こすことがある

いったい死因は何なのか(中略)死の決め手となったのは敗血症だ。バクテリアによる感染症が血流とともに全身をめぐり、身体のすべてが破壊されて死に至る。ただし、感染の原因は、外からやってきた恐ろしいバクテリアではない(中略)自身の腸内にいたバクテリアが犯人だった。免疫システムがきちんと機能していれば、難なく撃退できるバクテリアだ。

解熱鎮痛剤などは肝臓に掛かる負担が大きい

炎症は自覚症状がないまま、肝臓の損傷や瘢痕化を引き起こしてゆく。そして通常数年後に突然、肝硬変と呼ばれる肝不全の徴候が現れる。震えや筋力低下、体液による腹部の大きな腫脹、ときには腸からの出血を伴うこともあり、意識障害をきたすこともある。こうなってしまうと、肝移植以外にできることはほとんどない。

なぜ抗がん剤治療後すぐに亡くなる方が多発したか(中略)抗がん剤治療によって免疫力が抑えられると、B型肝炎ウイルスに勝てなくなって一気にウイルスが増え、それにより命を落としてしまう。つまり、がんで亡くなっているのではなく、B型肝炎ウイルスの再燃による「劇症肝炎」で亡くなっていたのです。抗がん剤治療には、骨髄の機能を低下させるという強い副作用があります。免疫細胞は骨髄から生まれており、抗がん剤を使うと特に好中球という攻撃免疫の一つが大幅に数を減らしてしまうことに。それでB型肝炎ウイルスに負け劇症肝炎という非常につらい状態になって、亡くなってしまうのです。これは何もがんにかぎらず、免疫力を抑える治療をする病気ではすべて同じことが言えます。

一度腎臓が悪くなってしまったら、残念ながら現代の医療ではその腎機能を回復させることはできません(中略)しかし、腎臓を守る方法はあります。ヒントは血管、なかでも「毛細血管」(中略)ということは、毛細血管の状態をよくすることが、腎臓の機能を保つことにつながる(中略)薬やサプリメントを服用する人は、健康のために同じ薬やサプリメントをほぼ毎日服用し続けています。でも、微量であってもコンスタントに飲み続けることによって、同じ排泄経路を刺激し続けることにもなるのです。このプロセスにおいて、細胞はストレスを受けます。わかりやすい例として、抗生剤で考えてみましょう(中略)腎臓のルートの抗生剤は効力を発揮したあと、不要な成分も同じように腎臓を介してろ過されて排泄されます。その成分自体が悪いわけではない場合でも、それが腎臓に負担となる(中略)このように、排泄経路には、薬効としていい形で関係しうるという良い面と、副作用にも関係しうるという悪い面がある(中略)腎障害を発症させる性質をもつ化学物質による腎機能障害を、薬剤性腎機能障害と呼びます(中略)ちなみに腎機能の低下が血液検査の数値として表れるのは、本来の機能が40%程度まで低下したとき(中略)そして、いよいよ「これ以上頑張れない」と腎機能を失った状態が慢性腎不全(中略)末期腎不全になると、老廃物や毒素を体外に排出できなくなり、尿毒症の症状が強く出てきます。尿毒症の症状は、実に多岐にわたります。例えば、むくみ、貧血、頭痛、不眠、尿量の減少、動悸、高血圧、食欲不振、吐き気、かゆみ、イライラなどから、肺水腫、意識障害やけいれん、心不全などにまで及び、このまま放置すると死に至ります(中略)腎機能が低下すると、カリウムの排泄がうまくいかなくなり、血液中にたまり、血液のカリウム濃度が高くなります。すると高カリウム血症となり、吐き気、不整脈、全身倦怠感などの症状が(中略)腎臓の機能低下の影響は、腎臓だけにとどまりません。慢性腎臓病の重症度が高いほど、脳卒中や心筋梗塞など、命に関わる病気を発症(中略)腎臓は血液のpHバランスの調整もしています(中略)腎臓は血液が酸性に傾き過ぎないように、血液中の酸を尿中に放出したり、ろ過したあとに尿細管で再吸収したりして、酸性・アルカリ性のpHバランスを調整しています。腎機能が低下してしまうと酸の排出が滞るため、血液は酸性に傾いてしまいます。すると、免疫力が落ちたり、疲労感や脱力感が生じたりする

患者さんの中には、薬を飲み続ければいつか治ると信じている方もいるようですが、何度も書いているように、薬は対症療法であって原因療法ではありません(中略)薬を飲み続けてもその状態を維持できるわけではなく、むしろ身体に負担がかかって健康状態が悪化します(中略)薬を飲んでいる患者さんより、飲んでいない患者さんのほうが長生き(中略)みなさんは薬を処方されるとき、薬剤師さんから説明を受けていると思いますが、実際に薬を飲むと何が起こるか、理解している方はそう多くはない(中略)もっとも身体を酸性にするもの、それは薬剤の服用(中略)薬剤の服用こそが、もっとも体を酸性化するもの(中略)薬剤は確実に酸性体質をつくり、治る病気も治らなくなってしまいます(中略)酸性体質になると白血球の働きが悪くなって免疫力が低下(中略)病気の人や薬を飲んでいる人のpHは酸性に傾いている(中略)pH6・2以下になるとがんの患者さんが増えてきます。pH5台になってくると筆者の経験上、ほとんどの方ががん(中略)酸性体質になると、眠気、気だるさ、便秘、下痢、頭痛、低血圧などの症状を起こしやすい(中略)酸性体質が引き起こす栄養バランスの乱れにより、2型糖尿病、痛風、腎臓結石、脳卒中、動脈硬化、がん、認知症などを引き起こす

自然治癒力が低下している人は「酸性体質」(中略)身体が酸性に傾くのは、食生活が大きく影響(中略)「酸性体質」の人はどうやってもむし歯が治らないのです。なぜなら、そもそも自然治癒力が働いていない(中略)抗生物質は悪玉菌だけでなく、善玉菌まで殺してしまうのです。つまり、悪い菌を殺すので一時は症状が軽くなるけれども、よい菌まで殺してしまうので免疫力がなくなり、結果、悪い菌がふたたび増殖することになる(中略)自然治癒力が低下している人のだ液を測ってみると、pH値(※水素イオン指数)が六・七以下なのです。要するに、身体が酸性に傾いているということです。私はこれまで、がん患者さんのだ液も数多く測定してきました。結果は、ほとんどの患者さんが六・二以下の数値でした。さらに低下して五・一になると、残念ながら多くの人が一週間ほどで亡くなります。五・〇だと、二四時間、長くても四八時間で亡くなります(中略)逆に健康な人は、たいていpH七・三位上の高い値を維持しています。身体がアルカリ性に傾いているのです。そういう人は病気知らず(中略)測定は、必ず食間に(中略)少なくとも、食後三〇分はあけないと、正しい結果が得られません ※引用者加筆.

酸性化すると正常な細胞が弱り、結合組織を分解する酵素の活性が高まるため、がん細胞が周囲に広がりやすくなります。組織の酸性化は(※がん細胞の)血管新生を誘導する(中略)乳酸が増えると、がん組織が酸性になり、がん細胞の浸潤や転移に好都合に(中略) がん細胞では解糖系でのブドウ糖の分解が亢進し、乳酸の産生が増(中略)乳酸(※がんの餌)が免疫細胞の働きを抑制 ※引用者加筆.

「がん関連繊維芽細胞」はがん細胞ではありませんが、がん細胞の命令で乳酸を作り、それをがん細胞に提供することが分かってきました。乳酸が増えると、がん細胞周囲の酸性化(乳酸アシドーシス)が促され、正常細胞にも大きなストレスを与えます。その結果、ガン細胞に対する免疫応答が低下し、浸潤や転移が起こりやすくなります。

寿命はどのようにして決まるのか───。この大いなる謎に、新たな角度から光を当てた研究が注目を集めている。カギを握るのは、沈黙の臓器「腎臓」(中略)腎臓の力が衰えてしまうと、健康が損なわれ、老化が加速(中略)やがて慢性腎臓病や動脈硬化、心臓病や脳血管障害などの疾患を引き起こし、老化を加速させ、ひいては寿命を短くしてしまう

じつのところ、腎臓や肺に特定の疾患がない限り、人間の体は何もしなくても健康的なpHを維持できる(中略)私たちの体内でもっともよく見られる酸は、実のところ二酸化炭素だ。二酸化炭素をつくりすぎたときには、体はそれを取り除くことでpHバランスを維持する。血液が肺を流れるときに余分な二酸化炭素が取り除かれ、吐き出される。また、腎臓も必要に応じてpHバランスの調節を助ける。
裸療法では皮膚呼吸によって体内の二酸化炭素を排出し、温冷交代浴では酸性に傾いた体液を弱アルカリ性に戻す。抗がん剤(分子標的薬は腎臓と肝臓へダメージを与える)は毛細血管と血管内皮のグリコカリックスを傷つけ、皮膚呼吸を困難にする。ですから、抗がん剤治療中に酸性化を加速させないためには、砂糖を食べないことです。もしくは痛みを我慢して痛み止めを減らすなど。砂糖を摂取せずに痛みに耐えることは難しいと思いますし、それができる忍耐力があれば他の治療法もできるように思います。20代前半の頃、私は多くのがん患者をみてきたが、心配だったのは、もし自分もがんになってしまったら、裸療法に明け暮れて何もできなくなってしまうのではないかということだった。私のがんに対するイメージは、治るかもしれないけれど、治るまでは治療一筋の人生になってしまうのではないかという不安だった。私は貧乏人でありながらという稀有な部類に入るが、富裕層や比較的裕福な家庭のご子息は、高校生の頃からがん患者と一緒に入院生活(実費で大部屋でも3万円以上)を送り、がん治療について学んでいた。まじめな親、まじめなご子息たちだと当時は関心したものだ。年末年始は、体調を整えるという意味で(健康だけれど高齢の)企業経営者らも入院していた。そこでは山小屋で人と出会うような楽しさがあった。
関連リンク↓
https://note.com/wandering_1234/n/na3518c106483
https://note.com/wandering_1234/n/n2818e71e5345