大企業⇔ベンチャー人事キャリアについて考えてみた
もう使い古された言葉なのでキラーワードでもないし、ホットトピックスでもない。でも、自分でしか見えない世界観があるかもしれないという事で書いてみます。
自分の簡単な経歴
2007年プチ就職氷河期にて、総合職採用真っただ中の中、労務をやりたいという異常なモチベーション(またどこかで)で就職活動。
電機メーカー総務人事として、工場人事を5年、その後本社人事やら総務人事部長やら海外人事やらを経て、今のベンチャー会社に到達。
自分のキャリアを振り返ると、採用、研修、労務、退職金(基金)、人事企画、評価制度運用、表彰、海外人事、組織開発、派遣管理、早期退職、事務所閉鎖、総務全般、管理全般とすべての領域を担当するジェネラリストになりました。
早人事13年目を迎えますが、転職回数が多い事も相まってここまで小~大規模会社での人事経験、人事総務全部の経験をされた方は未だにお会いした事ないので、ある意味オンリーワン街道まっしぐらです。
※人事制度作成3回、国税監査3回、労基署査察5回・・・等一つの会社にいると絶対経験出来ていないと思います。
それもこれも全ていいタイミングでいいフェイズの企業に巡り会えたからだと思います。
上記だけ見るとそう、”完全なるジョブホッパー”に見えます。日系かつ人事領域でここまでの方はお見受けしないので、別の機会にこれは書こうと思いますが、簡単に・・・・
転職活動はまだまだネガティブに捉えられがちですが、サッカーで例えるとクリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの違いかなと勝手に思います。
カンテラから、組織(会社)一筋でスペシャルな存在になったメッシ。
ポルトガル→イングランド→スペイン→イタリアと多種多様なクラブ・国でスペシャルな存在になったロナウド。
比べるところは多々あれど、同じ環境にいるか、違う環境にいるかの違いが一番大きい違いかなと思っています。
これは転職と全く同じだなと。なので転職すべきか、同じ会社にいべきかはどちらも正解。自分の合う方でいいのかなと。
転職回数多いクリスティアーノ・ロナウドタイプな私です。
ではなぜ今ベンチャーにいるのか?
1.人事をゼロイチから携わった事がなかったから。
2.自分の人事スキルは本当に通用するのか?
3.人事を極めたい。やっぱり第一人者になるぐらい頑張りたい。
に尽きます。
人事でそこそこ規模の大きい会社にいらっしゃった方はお分かりかと思いますが、基本ゼロベースって無いのです。そりゃそうだなんですけど。(大きく変化をすることは基本難しい)
よく言われる稟議に課長~社長までの押印欄がA4横にびっしり並び、一人ひとり違う資料も持って説得(ネゴ)に駆けずり回り、社長決裁下りた時には原型はとどめず。よくある話です。
このままこんな感じで成長出来るのか?いや、大手も倒産する可能性もあるVUCAの時代で今自分が会社の看板を失ったら何も出来ないだろうという不安がいつもありました。
ポータリビリティなスキルは持っているのか?それはどれなのか。
本当に悩みに悩みました。
考え抜いた結論、今後はゼロイチのスキル、つまり考えてそれを運用、実用化する事が大事で必要じゃないのかと考えるようになりまりました。
理由は、海外人事で他国のHRと話した時ですね。
グローバルのHR
こちらを見て頂く通り、日系や自分の経歴や経験、スキルは、(OPE )オペレーショナルエクセレンスが本当に多いです。
グローバルでは日中、CoEとBPが仕事して、夜に時差を利用してインドとかにOPEを外注してる。そりゃーすごいスピードで進むし、効率的だし。これを目の当たりにすると危機感を感じる訳です。
そもそもOPEはAIに代替される可能性もあります。
なので、本当に危機感がありました。24時間戦えないですもん、やっぱり。
やっぱりベンチャーフェイズ
自分がこの先10年、20年人事で勝負するとした時、必要なスキル、経験は何か。結論
【今後人事に必要になるスキルと経験】
・ゼロからイチを作る経験
・圧倒的な裁量権と責任
・人事制度とりわけ新しい手法のトライ&エラー
・組織開発(文化形成)経験
・データドリブン人事
・アジャイル人事
このようなスキルと経験が必要と思いました。
上記の通り、今後は人事を考える力とそれを経営視点で行う事が出来る力を持たないとCoEやBPになれないと思ったからです。
実際のベンチャー
結論本当に良かったと思います。ちょっとやそっとじゃ経験出来ないことが経験出来ている実感あり、責任は重いものの、嬉しいプレッシャーとやりがいに支えられてます。
・楽しい
・やり甲斐ある
・アジャイルだしトライ&エラーしかない
・ほぼゼロイチだし、裁量権というか全部やる(責任も)
・データで説得
これらは仮説通り経験出来るのは理解出来ました。
ただ、一方で本当にマインド次第だなと思います。
【ベンチャー人事必須マインド】
・受身な人はいらない
・コミュニケーション能力半端なく必要
・カオスが正義だ
・とりあえずやれ、やり切れ
・拾え、拾い切れ、そしてやれ
・PDDDC
・判断は神速で
・仕組みは作れ
・過去ではなくて、未来を見る
・最後には情熱
会社によりますが、恐らく上記の考え方にえー・・・と抵抗感持つ方は難しいのではないでしょうか。極端なワーディングになってますので、ご容赦を・・・笑
ベンチャーも中小も大企業も経験した私としては非常に合っていると思いますが、合わない人もいるので、当然ベンチャーのが凄いとかは不毛な議論と思ってます。
活躍する場を自分に向き合い見つけるのも必要なスキルです。
まとめ
今後の人事に必要なスキルは比較的ベンチャーフェイズだと経験できますよという話。
1.会社規模が小さいため、施策が打ちやすい。そして、フィードバックが得られる。
これ本当大事で、人事と現場で気をつけないと簡単に離れてしまう。どれだけ現場に近く人事出来るかは死活問題。
2.変化を恐れない
大きい会社って基本変化嫌うのです。変化しても会社の思いで変えちゃう。おいおい、それ従業員のためなのかよ?というのが正義になってしまう。
3.CHROを目指せる
イコール人事というものを大事と経営が理解している。そんな環境で仕事が出来る。
大手の取締役見てみてください、ほぼ経理出身ですよ?経営の三原則のヒトについて司る人事はボードメンバーに入らないのです。
5.文化形成が出来る
文化って作ろうとして作れるもんでもないし、作るタイミングがある。それが経験出来る
6.組織開発
外資では組織開発って普通で、日系は組織じゃなくて、人を異動させて組織を最適化しようとする。
イヤイヤ、個人を最大化するための組織最適化、つまり組織開発でしょ。
最後に、もし今人事でこの先のキャリアに悩んでいる方、これから人事になろうと思っている方の参考になれば幸いです。