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コンペの挑戦が終わり、見えた私のイラストの方向性

これまで様々な画材を使って イラストを描いてきた。
でも、どこかで見たようなイラストしか描けなくて
私らしい 私ならではのイラストを描けないものか
考えては試しての 繰り返しで
なかなかたどり着けないでいた。

だけども、8月と9月に様々なコンペに挑戦する中で
もしかしたらと思う技法にたどり着いた。
何も特別な画材を使うわけでもないし
いたって シンプルな描き方で 以前の私も
試したことのある コラージュだった。

昔に 現役のプロのイラストレーターの方に
直接イラストを見てもらえる機会があった。
その時にも コラージュとミックスしたイラストを
見てもらった。
すると何だかわからないけれど 不機嫌に
「これは 良くないイラストだ」と言われた。
「良くない」=ダメ と思い込んでしまい
その言葉が頭から離れなかった。

それから 20年近くがたって もう一度コラージュを
試してみようと思う気持ちになった。
あの時はダメだったけれど 今もう一度挑戦しなかったら
後悔すると強く思った。
あの時と違うのは 障害をもってしまったこと。
でも それがイラストにあたえる影響は大差ないのではないか。

あの時に「良くない」と言われたけれど
他の人は何と言うだろう。そんなことも 頭をよぎったが
もう誰の評価も気しないで、好きなものを作ってみてはどうか
という気持ちが 上回った。

挑戦はとにかく楽しかった。
背景の着彩は アクリル絵の具を 筆ではなくて クリップに取り付けた
ウエスを ぽんぽんとたたきなじませるように塗った。

そうして出来上がった背景に お気に入りの雑誌から コラージュの
パーツをカットして 貼り付けた。
ただただ楽しく 夢中になった。
切ったものはもう元には戻せないので すべて 一期一会。
どんな色 どんな明るさ どんな柄で どんな形が切り出せるか
考えるのが楽しかった。

そうか 楽しむことを すっかり忘れていたのかと
自分でも驚くくらいに。
大切なことを 二度と取り戻せなくなるところだった。

描き方を探すことに気を取られて 楽しむことを忘れてしまっていた。
探していたものは ずっと私の足元にあったのに。

出来上がったイラストは
私がこれまで描いてきたものとは少し違っていて
だけど 懐かしいような 新しいような。
何度も挑んでは跳ね返されて 心細かった気持ちに
灯りをともすには 十分な仕上がりになったと思う。

もしも 今回の作品が評価されなかったとしても
それは 気にしなくても良いのだと思う。

とても不思議なことで SNSでたくさんの素晴らしい
イラストの投稿を見るけれども 私は私と
思えるようになった。

ようやく自分らしいイラストと対面して
専念できるステージに乗ることが出来たのは
今 このタイミングでしか起こらない ミラクルだと
言いきかせて 新たな作品に向かうことにしよう。


「月だって乗りこなしちゃうガール」 画材/アクリル絵の具・コラージュ

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