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Sカウンセラー、「週4時間」は短すぎ!&教員“支援員”、全国の小中に配置へ/先生の『働き方改革』緊急提言を深掘り②


文部科学省の有識者会議が8月下旬に取りまとめた、『教員の働き方改革』緊急提言(※)。
そこで示された施策のうち、今回は《支援員》にスポットを当てて紹介します。

※正式名称は『教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)

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《支援員》とは

◉教員業務支援員
◉副校長/教頭マネジメント支援員

など。
緊急提言には、これらの配置拡大(副校長/教頭マネジメント支援員は『創設』)を目指す、と書き込まれました。
8月末に財務省に提出された来年度の概算要求にも、それを実現するための予算が計上されています。

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《教員業務支援員》

教師が、児童生徒への指導や教材研究等により注力できるように
教師が行う業務のうち、 専門的な知識や技能を要しない業務を行うのが教員業務支援員です。
業務の具体例は、学習プリント等の準備や、来客・電話対応等のサポートなど。 
現在は14学級以上の小・中学校への配置にとどまっていますが
新たに《全小・中学校へ配置する》という目標が打ち出されました。

《副校長/教頭マネジメント支援員》

文科省の調査によると、教職員のうち在校等時間が最も長いのが『副校長/教頭』
厳しい勤務実態を踏まえて、その学校マネジメントに係る業務を専門的に支援するための人材の創設が、緊急提言に書き込まれました。
具体的な業務イメージは
・教職員の勤務管理事務の支援
・施設管理、保護者や外部との連絡調整、会計管理

など。
副校長/教頭の負担軽減により、学校全体の運営改善を図っていくのが狙いです。

ほかに、不登校の児童生徒などにきめ細かい支援を行っていくために
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの配置充実を図る方針も掲げられました

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支援員に関する、こうした施策に対して
9月初旬に開かれた文科省の専門家会議では、委員から概ね好意的な意見が寄せられました。
ただ、中長期的な視点に立ったうえでの、次のような意見も。

「(人員配置と)並行して業務内容の継続的な見直しをしていかなければ、『人を増やしたのに業務の効率化が図れていない』という事態に陥りかねない」

「先生の負担軽減の意味で大変よいと思う。
ただ、ワークシェアの観点でいうと、責任の所在を明確にする必要がある」

などです。

またある委員は、スクールカウンセラースクールソーシャルワーカーの存在意義について

「児童生徒の自死という最悪の事態や、不登校の児童生徒が少なくない状況を鑑みると、とても重要」

としながら、それらを取り巻く環境の不備を指摘。

圧倒的多数のスクールカウンセラーは週4時間勤務、スクールソーシャルワーカーは週3時間勤務という配置のままだ。
しかも大体、1人ポジションとしての配置なので、1つの学校に数時間しか滞在できない

と話し、それらの職種が本来の機能を発揮するためにも、今後の制度改善を望みました。

校長・副校長マネジメント支援員については

「(マネジメント支援の)業務は誰にでも出来ることではなく、人材を集めるのが難しい
これらの業務は、学校事務職員の仕事とも重なる。実際、これを事務職員の業務に移行させている事例もある。
その観点から是非、学校事務職員の活用も図ってもらいたい」

「最終的に、個々の学校でマネジメント支援員を独自に探さなければならない。
人材確保が個別的努力に委ねられる形となり、そうなると(自治体によって)差が出てきてしまう。
そこで国が主導する形で、自治体ごとに人材を確保・養成するシステムを作り、そこには常に人材が登録されているようなマッチングの仕組みを作ってはどうか」

といった声があがりました。

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スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーに関する委員からの指摘は、実体験を交えてうなずいてばかりでした。
先日、母子同伴でしか登校しない息子のために、学校がケース会議なるものを開いてくれ、それに対しては感謝しかないのですが
初めてお会いするスクールカウンセラーの方に、いきなり悩み相談を…と言われても、やはりなかなかその気になれず。^^;
いくら専門のスキルを備えていらしても、まずは日頃の関係ありきだよなぁ…と思ってしまったのでした。

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よしもと しか
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