最近やっと電気を消して眠れるようになった話
僕は、こわがりです。
怪談なんてもちろん苦手だし、暗闇も怖い。
出張でホテルに泊まるときには、思わず「誰かおるんやろ?」と独り言を言って確認したり、壁や額縁に魔除けのお札が貼られていないか、ついチェックしてしまいます。ホテルのエレベーターでも、誰もいないのに「ドアが開いた瞬間に誰かいたらどうしよう」と想像して、ちょっとビビりながら乗り込むこともあります。
家にいるときも同じです。
夜中、どこかから「カサッ」という物音が聞こえると、一瞬で目が覚めて「今の音、何だったんや?」と寝ぼけた頭で考え込んでしまいます。
飛行機や新幹線でもほぼ眠れたことがありません。
エンジンの音が変わるたびに「大丈夫かな?」と気になって、リラックスどころではないんです。
でも、最近になってようやく、寝るときに部屋の電気を全部消して眠れるようになりました。
今までは、真っ暗な空間にいると何だか不安になってしまい、寝室のどこかに必ず小さな明かりをつけていました。でも、少しずつ慣れていったおかげで、今では暗闇の中でも眠れるようになったんです。この変化は、自分でも「少しは成長できたかな?」と感じています。
こうして自分を振り返ると、実はこの“こわがり”な性格が、仕事での強みになっているように感じるんです。
こわがりだからこそ、事前の準備は念入りにします。
たとえば、大事な商談があるときは、どんな質問が来ても対応できるように、相手の会社の情報を徹底的に調べておきます。
さらに、「もしこうなったらどうしよう?」という最悪のシナリオも事前にシミュレーションしておくので、本番で何が起きてもあまり動じない自分がいます。
仕事が終わった後も、次に生かすための振り返りを欠かしません。
「もし次に同じような状況が来たら、どう対応するのがベストだろう?」と自問自答しながら、どんな小さな出来事でも学びに変えようと心がけています。
僕の仕事柄、人前で話す機会がとても多いです。
研修やセミナーで登壇するたびに、心のどこかで
「今日の参加者が退屈そうにしたらどうしよう?」とか、
「もし変なおじさんが急に『なんもわからん!』と怒鳴り出したら?」と、
ありえないような最悪の状況までつい想像してしまいます。
おかげで、何をどう伝えたら聞き手が納得するかを考える力がつき、少しずつ話したり聞いたりするのが上手くなったと感じています。
こわがりな自分を前向きに捉えられるようになるには、時間がかかったのかもしれません。
以前は「自分の弱点だ」と感じていましたが、今では「こわがりであること」が僕の武器になっていると気づきました。
こわがることで自然と準備が整い、その結果、どんな状況でも落ち着いて対応できる力が育まれてきたのだと思います。
最初から完璧を目指すのではなく、失敗したらどうするかを常に考え、そこから学ぶ姿勢があるからこそ、僕は仕事を続けてこられたのかもしれません。
もちろん、今でも怖いものはたくさんあります。
暗い場所に一人でいるのは得意じゃないし、飛行機に乗るときも結局ドキドキしてしまいます。
でも、そんな自分を受け入れられるようになった今、少し肩の力を抜いて仕事も人生も楽しめるようになった気がします。
こわがりな自分をうまく活かしながら、これからも丁寧に準備を重ね、成長を続けていきたいです。
この記事を書いている今も、窓の外から「コトッ」という音がしました……やっぱり、僕は今日もこわがりのままです😊
それにしても、こんなに、こわがりな僕が、よく起業できたもんだなあと、ふとしみじみ思います。
不安があるからこそ、準備を重ねて一歩ずつ進むことができたのかもしれません。
そう考えると、こわがりな自分も悪くないな、と今は少し誇らしく思います。