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コペンハーゲンが好きになりました
たった数日間ですが、コペンハーゲンを旅して、コペンハーゲンが好きになってしまいました。沢山撮った写真を見ながら、どうしてだろうと振り返っています。
コペンハーゲンを旅することになったのは、北ドイツに行くにあたり、便が良かったから。ギリギリまで立ち寄るか迷ったぐらいで、ホテルを手配するのも直前でした。土地勘もないので、予約サイトで高評価の、中心部にありそうなホテルをさっと手配したのですが、よく見ると注記欄にこんなことが書いてあります。
「18時にはフロントは閉まりますので、それより遅く到着する方は事前に連絡ください」
18時!早っ!でももしかして、これはワークライフバランスを保つため?それなら素晴らしい!と思いながら、自分のフライトを見ると、空港に到着するのがまさにそのくらいの時間。え、どうしよう。ドキドキしながらチャットボックスに連絡すると、「到着日に鍵の開け方を連絡します」という返事。連絡っていうけど、携帯が繋がらなかったらどうするの?とか、色々心配になり質問すると、きちんとした返事がすぐに返って来るのでした。緊急連絡先を聞いておき、日本を旅立ちました。
当日、コペンハーゲン空港で携帯をつなぐと、ホテルからメッセージが入っていました。
そして、空港では、交通機関や美術館が乗り放題&見放題の「コペンハーゲンカード」というものを買うつもりでいました。でも売っていそうな所がどこにもない!電車の切符売り場前に係の方がいらっしゃったので聞いてみると、現物のチケットが売られているのではなく、アプリで買うものだと教えてくれました。私は少し離れた所でアプリをインストールし、無事ゲットしたので、係の方にアプリ画面を見せお礼を言うと、真面目な雰囲気の男性の目がちょっと細くなりました。
列車に乗り、ホテルに到着すると、ホテルのメッセージを再確認。セキュリティ上詳しくは書けませんが、リアル脱出ゲームの様な課題をクリアし、無事ホテルに入ることができました。
次の日の朝、私が廊下を歩いていると、キッチンから声が。
「わみさんですか?」
「はい」
「ルビーザよ!昨夜は大丈夫でした?」
「ルビーザさん、ありがとう!おかげで無事チェックインできました」
私は開けなくても良い鉄の扉を開け、入らなくても良い庭に入り、また戻ったりしてチェックインしたことは言わずにおきました。ルビーザさんは朝食を作っていた手を止め、私の手の前に差し出しました。
コペンハーゲンには素敵な美術館が沢山ありました。私はコペンハーゲンカードを駆使し、行けるだけの美術館に行きました。ちょっとずつ異なる入館の仕組みも、毎回係の方が、さりげなく、でもちゃんと教えてくださいました。
ハマスホイ作品が特に充実している美術館では、私は何度も彼のエリアを見ては離れ、また戻りを繰り返しました。係の方は、多分「また戻ってきた!」と思っていたに違いないのですが、何も言わず、少し離れた所から見守ってくれているようでした。
私がほんのちょっとだけ接点を持ったコペンハーゲンの人達は、皆さん共通して、不自然な愛想笑いとは遠い、はにかむ様な笑顔をする方たちでした。また、私がコペンハーゲンで撮った写真も、華美さのない、自然な色彩のものが多かった。宮殿のような所でも、キラキラというより落ち着いたトーン(赤より青のイメージ)だったのです。
私がコペンハーゲンを好きになった理由はまだはっきりしないのですが、印象を言葉で表すと、「表面温度は低そうだけれど、芯の部分がちゃんと温かい感じ」かな。そしてそこから「誠実」というキーワードも浮かんでくるような。
と、わからないことを徒然と書いてしまいましたが、その真相を確かめに、またコペンハーゲンに行きたいのは確実です。