初めてメジャーリーグ観戦に行ってきた話
先日、エンゼルスの大谷選手が遠征でデトロイトにやって来ると言うので、初めてメジャーリーグの試合を観戦しに行って来た。その時のことや行ってみて感じたことなどを少し綴ってみたいと思う。
まずはチケットを購入
チケットはStubHubと言うオンラインチケット販売サイトで買うことができる。席種にもよるが外野席でだいたい20~30ドル(TAX込み)から、バックネット裏だと100ドルを超える。アメリカのチケットシステムをよく理解していないけれど、イベントの人気によって値段が大きく変動するものもあるようだ。
僕は野球観戦自体初めてなのでどの席にすれば良いのかよくわからなかったが、まあせっかくだしと言うことでエンゼルス側のファースト寄りの前の方の席を取ることにした(コメリカパークはファースト側がビジター席になっている)。値段はおよそ60 ドル。行ってからわかったことだが、あまり前の方だとほぼフィールドレベルになってしまう。なので全体を見たい人はもう少し後ろの方、20列〜30列あたりが良いかもしれない。
ちなみにアメリカでは日本では想像できないほど大学スポーツの人気があって、カレッジフットボール(アメフト)で最大のライバル対決として知られるミシガン大ウルヴァリンズvsオハイオ州立大バックアイズの試合のチケットは、聞いた話ではシーズン開始前の時点で300ドルを超えていたとか、、、
スタジアム周辺の治安について
デトロイト・タイガースのホームスタジアムである「コメリカ・パーク」は全米でも有数の治安の悪さで有名な街、デトロイトのダウンタウンにある。初めて行く人にとってはハードルが高いように感じられるが、ハイウェイを降りて1、2マイルの立地にあるためアクセスは問題ないし、試合やコンサートのある日は警察が周辺を警備しているのと、大勢の人で賑わうため、そこまでの警戒は必要ないと思われる。
余談だがデトロイトと言う街は財政破綻と治安の悪化の影響で多くの企業と人が郊外に移り住んでいるため、空洞化が進んでいる。一度試合がない日に来た時は休日の日中にも関わらず人がほとんと歩いておらず、あまり降りて歩き回りたくない雰囲気だった(デトロイト市内の中でも比較的治安が安定していると言われるダウンタウンでさえこの状況である)。
スタジアム周辺の駐車場事情
スタジアム周辺にはたくさん駐車場があるが、隣接しているスタジアムの立体駐車場は会員制?なのか、パスが無いと入れないと書いてあった。またコメリカ・パークの隣にはNFLのデトロイト・ライオンズのホームスタジアム「フォード・フィールド」があり、そちらの駐車場は野球観戦の人お断りになっている。隣接するブロックの外側にも民間の平面駐車場がたくさんあって、スタジアムから遠ざかるほど値段が下がっていく仕組み。僕が入った駐車場は60ドル(!)試合のチケットと同額か。。。と思ったけど、不慣れなデトロイトのダウンタウンで長い距離を歩くのも不安があったので、そこに停めることにした。一応管理人もいるのでまあ心配はなさそうだ。
注意点として、クレジットカードが使えない駐車場もある。僕が最初に入った駐車場は現金のみしか受け付けてくれず、カードが使える別の駐車場を紹介されてそっちに停めることになった。試合開始が近づくにつれて近場の駐車場は埋まっていくので、近くに停めたい人は試合開始2時間前ぐらいに着くようにした方がいいと思う。アメフトの試合など、他の大きなイベントがある場合はさらに混むのでその点も考慮したい。
コメリカ・パーク入場!!
スタジアム内を見学して回り、ホットドッグとビールを買って席に着く。他を知らないので比較して語ることはできないけれど、このスタジアムはフィールドと観客席がとても近く、見やすいのがいいところだと思う。
ほどなくオオタニサン登場。この日は1番DHでスタメン出場。案外オーラがないんだな、、、泰然とリラックスした雰囲気で、どこにでもいそうなお兄さんと言った風情だった。試合では初回先頭バッターでいきなりツーベースヒットを放つなど活躍。
非日常を楽しむスポーツエンターテイメント
コメリカ・パークの中は音響が素晴らしく整っていて、スタジアムDJが開始前から会場を盛り上げている。イニング間には抽選などのちょっとしたイベント(当選者はファースト側から見て正面に設置された特大スクリーンに映し出される)やショーが行われ、チャンスの場面などでは「Make some noise(音を出して)」の合言葉がスタジアム中の電光掲示板に踊って観客を煽り、人々は歓声を上げる。そういった「飽きさせない仕組み」みたいなものが完成されたスタジアムで人々はビールを片手に野球を楽しみ、大人から子供まで非日常を楽しむのだ。
僕はこれまでライブで観戦したこともなかったぐらい野球は詳しくないので試合内容については特に感想はないし、(観に行ったことがないので)日本のプロ野球と比較することはできないけれど、メジャーリーグのシステムと言うか、エンターテイメントとして完成された部分を体験できただけでも大変興味深く、チケット代分の価値があった(なお試合は4-3でタイガースがエンゼルスに勝利)。
以前、何かの番組のインタビューで川崎フロンターレのタウンコミュニケーション部長の天野春果さんが、フロンターレや東京オリンピックに持ち込んだスポーツマーケティングの原点はアメリカにあると言うようなことを仰っていた気がするが、それってもしかしてこう言うところにあるのかもしれないな、と思った。
僕はサッカーが好きでJリーグのとあるクラブを応援しているが、Jリーグではそういった部分に本気で力を入れて取り組んでいるクラブはまだまだ少ない。もちろん日本とアメリカでは文化も異なるし、各スポーツチームによって予算も違う。色々法的な制約条件もあるだろう。でも「人々がスポーツイベントを非日常として楽しむ」と言う大きな目的は同じはずだ。だから、Jリーグにはまだまだ大きな可能性があるとこの日改めて感じた。