今日の走り書き11
友部さんのこと
ずいぶん考えた。友部さんのうたと、たくさんの思い出を書いていきたいと、そのためのマガジンもつくり、いろいろなひとに知ってほしいと思った。
けれど、ついさっき、マガジンを削除してしまった。
ぼくにとって、大切な記憶の一つひとつを言葉にかえることが難しすぎた。
ずっと胸に仕舞っておきたくなった。
いま、コロナでひきこもりがちになった毎日の中で、これまでと同じように、友部さんのうたに描かれている人や風景や世界観は、ぼくの生活の一部になっている。
精神的にしんどいときは、目の前を通りすぎるだけのこともあるけれど、落ち着くとすぐそばに来て、見守ってくれている。
いっしょにライブを企画した寄り合いのメンバーの何人かは、もう逝ってしまった。ぼくも車いすに長く座れなくなってしまい、友部さんが関西へ来られても、聴きに行くことが難しくなった。
デビュー当時の音源もふくめて、友部さんほど変わらないミュージシャンをぼくは知らない。歳を重ねると欲が出て、聴く側に「こんな風に伝えたい」と説教くさくなる人が多いのに、いつもぼくに応えを考えさせてくれる。
しばらく、コロナは治まりそうにない。長く車いすに乗れるようになるだろうか。もう一度、ライブを聴きに行きたい。
これがいまのぼくの精一杯だ。
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