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【吉澤匠】歌って踊れるアカペラーになるために。心的資源という考え方

初めまして!WALKMEN12期の吉澤匠です!
大学でアカペラをやってきて思ったこと、感じたことなどを思想強めに書いていきます、よろしくお願いします!


※注意
僕が書くnoteはあくまで個人の考え方です。ですから「そういう考え方の人もいるのか」くらいの気持ちで見てもらえると助かります。ただ、いちいち文の最後に「〜だと僕は思います」とか入れると、書くのも読むのも面倒くさいので基本的に断定した言葉で書いていきます。ズバッと言われるのが苦手な人は文の最後に「だと吉澤は思います。知らんけど」的なことを入れると読みやすくなると吉澤は思います。知らんけど。

1.はじめに


突然ですが皆さんはこんな経験したことないでしょうか?

・バンドメンバーで合わせている時、周りの音を聞けない
・自分の思った通りにステージングが出来ない

例を挙げるとキリがないですが、皆さんがアカペラをする中で出来ていないことや出来るようになりたいことって少なからずありますよね?今回はこれらを解消するために認知心理学という分野で扱われている「心的資源」という考え方を紹介していきます!この時点で読むのをやめてインスタのストーリー周回を始めたそこのアナタ。

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言葉は少し難しいですが言われてみればそりゃそうだ、となる内容なので是非最後まで読んでいってください!お願いだから。

2.心的資源とは


簡単にいうと、心的資源とは私たちが情報などを同時に処理できる量のことです。心の余裕、というと分かりやすいかもしれません。私たちはこの心的資源の範囲で物事を処理し行動に移しています。この処理という動作には2つの種類があります。「意識的処理」「自動的処理」です。

意識的処理

慣れていないことや複雑なことをするときに、行動の1つ1つを意識して実行することです。
初合わせの曲って楽譜を見ながら音などに集中して歌いますよね?そういった場合は音、リズムなどを「意識的処理」して歌っているというわけです。

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楽譜とにらめっこ。最初の内はしょうがないですよね)


自動的処理

繰り返し動作を行うことで体が慣れて、集中しなくてもその動作を実行できるようになります。このとき行われているのが「自動的処理」です。要は無意識でする、ということです。これが出来るようになると、心的資源に余裕が生まれ複数のことを同時に行えます。

ある程度歌い慣れた曲は楽譜を見ないでも歌えるし、ステージング、表情なども気をつけながら歌えているはずです。このとき、私たちは音、リズムなどについては「自動的処理」をして歌っていると言えます。

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(この人たちは「歌おう歌おう」とは意識しないでも歌えます。てかなんだこのバンド

3.具体例


心的資源という概念、大まかに理解できたでしょうか?ここからは具体的なシチュエーションに置き換えて見ていきます!

アカペラ初心者

アカペラを始めたばかり、または得意でない人がいるとします。この人が演奏をしっかりこなしつつ、ステージングや表情も完璧、お客さんへのファンサービスも忘れないといったことができるでしょうか?もちろんできないですよね。これは各々の行動に対して割かなければならない意識の量が多いからです。
仮にその人の心的資源の最大値が10だとします。そして音やリズムを間違えずに歌うための心的資源を8、ステージングに必要な心的資源を3としましょう。この人が実際に演奏をするとき、このようなことが起きています。

アカペラ初心者が演奏する場合:

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ここから更に様々な要素(緊張、表情、発声のコントロール、武蔵家食べたいと考えてしまうなどなど、、、)により心的資源は消費されます。こうなってしまうと心的資源が3のステージングをする余裕はありません。もし先輩に「足が動いてないからもっと動かしてリズムに乗ろう」などとアドバイスされ実行しようものなら、、、

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心的資源の容量を超えパンクしてしまい、何かしらの行動に支障が出てきます。

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摩訶不思議なステージングをしたり、

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ジャイアンもびっくりな演奏になったりしてしまうでしょう。こりゃいかん。

アカペラ上級者

一方、アカスピなどの大会で結果を残しているような実力があるアカペラーの場合、演奏もそれ以外のことも難なくこなせます。この人が演奏するために必要な心的資源を3、ステージングに必要な心的資源を3とします。

アカペラ上級者が演奏する場合:

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ご覧の通り心的資源が 7 余っているため心的資源が3のステージングをする余裕があります。また、この2つを合わせてもまだ心的資源が4余っているため更に他のことをする余地があります。すごい。

これは、この人にとって歌うという行為が「自動的処理」されているからです。

これらのことを踏まえて初心者の方が最初にするべきことはズバリ

ステージ作りに必要な動作を自動的処理出来るようになる(その動作に必要な心的資源を減らす)

ということです。この必要な動作というのは音を間違えない、そもそもの発声をよく歌うなど様々です。先ほどの具体例では歌、ステージングとざっくり分けましたが、実際に練習するときはもう少し細かく分けて考えてみてください。

一度に全ての動作を変えることは出来ないので少しずつ出来るようになりましょう。もちろん最初は失敗しても構いません。最終的に「無意識で」出来るようになるのが大切ですね。

つまり

音をとって1人で歌えるようになっただけでは足りません。バンドメンバーと合わせてみていい感じにハモれた!でも足りません。特に音を合わせようと意識しなくても、留年のかかった試験が明日に迫っていてもしっかりハモれるようになって初めて次の段階へ進むことができます。もちろんステージングなども同じです。動かそうと思って手足を動かしている内は、まだ良くなる余地があるということですな。

ちなみにこんなに偉そうに書いている僕がこれらのことを出来ているかというと、全然そんなことはないです(笑)。まだまだ足りないところもあるのでこれからも頑張っていきますよー!皆も一緒に頑張ってくれたら嬉しいな、、、

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4.まとめ

ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!感謝感謝だね。内容的には正直当たり前のことですが、論理的に(?)言語化することでやるべきことが少し明確になったのではないでしょうか。皆さんのアカペラ人生を豊かにするために少しでも参考になっていたら幸せです。ということで最後に少しまとめをして終わろうと思います(初めて思います使った、うひょ)。

○心的資源とは、何かをするときに人が割ける意識の量
○動作に慣れることで、その動作に必要な心的資源は減る(自動的処理)
○心的資源の総量以上に行動すると、何かしらの動作に支障が出る
○これを防ぐために、ステージ作りに必要な動作の心的資源を減らしてより多くのことを出来るようにする(どうやって減らしていくかは先輩に聞いてみよう)
○残り少ないけど仲良くしてね

こんなところでしょうか。改めてこんな長文駄文を読んでくれてありがとうございます!何か分からないことがあればいつでも質問してください!それではまた次の記事でお会いしましょう、さようなら〜

インフルには気をつけようね〜

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