人・組織の悩みの解決策は、経営者の「心の成長」にある。
「事業は順調でも、なんだかモヤモヤする」
「ありたい姿に邁進してはいるが、これでいいのか」
「新しい事業を創りたいが、思うように進まない」
「ビジョンが見えない」
エグゼクティブコーチをしていると、経営者たちからこのような声を聴きます。
そして、更に対話を進めていくと、経営者からはこのような気持ちが出てきます。
「社員にはもっと自律して欲しい」
「今いる役員たちは前社長の参謀たちでやりづらい」
「後継者を決めたいが、正直いない」
「いつかあの人を見返してやりたい」
これらは、経営者それぞれの本音ですが、これらの言葉にはある共通点があります。
それは、
他人に変わってもらいたいと願っている
点です。
他人と過去は変えられない。
これは誰もが分かっている言葉ですが、つい忘れてしまいます。
そして、どこかで変わってくれることを待ち望んでいます。
しかし、当然都合の良いタイミングで変化してくれる可能性は低く、それを待つことに時間を費やすよりも、自分の意識を変えた方が圧倒的に早いです。
では、どうやって変えるのか。
それは、他人に焦点を当てるのではなく、
自身の内面に焦点を当てます。
以前、私も「もしもこれらの出来事の片棒をあなたが担いでいるとしたら?」と問われて愕然としたエピソードを書きました。↓
例えば、「社員にはもっと自律して欲しい」という悩みがあったとします。
「なぜ自律して欲しいのか?」
「指示が減り、経営者自身の時間ができ、経営に専念できるから」
かもしれませんし、
「将来の後継者候補ができるから」かもしれません。
しかし、それは究極、自律した人材のためではなく、
経営者自身の都合(メリット)です。
「いいえ、会社は公器なもの、株主のもので、私のメリットではありません」と思うかもしれません。
それは建前で、本音は社員が自律しなければ、会社の業績は伸びず、潰れるかもしれない。
そうしたら、自分の生活が危ぶまれる、そうなったら、生命の危機である。
と、命の危険に繋がっている場合がほとんどです。
人は誰でも生命の危機に触れると本能的に防御する力が備わっています。
そこまで行かなくても、会社が潰れたら、ダメ経営者と思われたくない。と思うかもしれません。
いずれにせよ、社員が自律しないと、経営者自身が一番困るからです。
つまり、恐れからの発言である場合がほとんどです。
ずっと、無意識にこの恐れを抱えて日々を過ごしていると、
経営判断が恐れ回避の要素が含まれていきます。
それは本質からずれていく判断です。
人間は誰もがこのような恐れを少なからず抱えています。
このような大事な本音を誰かと話せていますか?
経営者の場合、ここが重要です。
なぜなら、経営者が担っている責任は大きく、影響を及ぼす人たちがいるからです。
曖昧にし、放置しておいても会社にとって良いことはありません。
経営を推進していくための大きなボトルネックになりかねないということは、ご理解いただけると思います。
解決の糸口はご自身の解釈を変えることで見えてきます。
更に、この恐れの深層には、ある「願い」というものがあります。
それはあなたが生涯を通じて成し遂げたいこと。
それを実現するために会社経営をしているはずです。
そこに日々邁進できるように、ここにエネルギーを注げるように
常にメンテナンスしておくことが重要です。
それが私の役目です。
メンテナンスすると、思考を正しい方向に軌道修正できるので、そこから自律人材への施策を考えていきます。
この時点では、「恐れから」施策を考えるのではなく、「願いから」施策を作ることができます。
人と組織の悩みは、
自分を知り、「人」とは何者かを知り、「心の成長」とは何なのか?
を理解していくことこそが、根本的な解決です。