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奧信濃100(100km)2024年(後編)

前編はこちら(準備から48kmまで)

樹齢300年を超す美しいブナ原生林…からの激坂

本沢川の雪解け水をゴクゴク飲んだ後、体のコンディションも整ったところで、美しいブナ林のループを駆け抜けました。
ここの10kmはポールをたたんでザックに仕舞います。

美しいブナの原生林
ここを走ってる時が幸せでした🌳

カヤの平キャンプ場(エイド)からトレッキングに入れるので一般のハイカーさんがたくさんいました。すれ違いや追い越しの時は歩きましたが「がんばってね!」と応援してもらえて嬉しかったです。

走っていて最も気持ちのいいコースはここでした。アップダウンは多少あってもクロスカントリーコース程度だったので、心地よく走れました。

しかし最後の方でびっくりするような直登、激坂があります。(荒川純さんも解説動画で話してた)
急坂すぎて前後の人に話しかけ、びっくりを共感しながら登りました。

14km 長い長い下り林道

58kmでカヤの平に戻り、水分補給。
仕舞っていたポールも再び出しました。

捻挫グセのある私の集中ポイント、長い長い下り坂が始まります。

ここではカフェインのチカラをお借りしました。
メダリスト9000(カフェイン100mg)を直飲みして水で流し込みます。

箱買い派

走り出してすぐに思いましたが、下りですが急ではありません。
ただとにかく長い!ペースは6:15くらい。
下りだから6分かそれより速く進めるのでは?と予想していましたが、50kmも使った脚はいつもと全然違って、股関節の切り返しにキレがなくなってました。

川や岩から染み出したぬかるみもありポールを使って飛び越え、崖崩れして石がゴロゴロ転がっているところでは「捻挫するものか!」と気合を入れました。

1時間半ほど走り続けている間の一度だけ、歩きながら水分補給と塩をなめました。足攣り予防です。

70kmの表示を見て嬉しくなりました。
去年は約70kmの大会に2度出ました(ITJ、ハセツネ)
ここからが「私の知らない世界」に突入です。

ここからだ!

まだ足が残っています。
速くはないけどちゃんと動く。
ポールを使いまくったおかげで痛くてツラいという感覚がありませんでした。

川の渡渉と2度目の糠千エイド(72km)

エイドの少し手前で川を渡りました。


奥信濃100の特徴で川を渡る箇所があると聞いてましたが、ずぶ濡れのシューズやソックスでの不快や靴づれを心配していました。

だけど案外平気で、よく考えたら大雨の日でも走っているので神経質になることはないですね。
天気の良い日は走っているうちに乾いてきます。

2度目の糠千エイドでは豚汁が出ました。
具沢山の豚汁で美味しそうなのですが、ちゃんと消化できるかな?と思いながらしっかり噛んで食べて出発しました。

優しいケヤキの森(84km)
みぞおちが痛くて歩く 

糠千エイドをでた後ずっと林道が続き、とにかく走らされる区間でした。
スピードは出なくてもとにかく前に前に進みます。

ケヤキの森というエイドではお蕎麦が出ました。
最初のデポバック(27km)で芝生に座りましたが、それ以来でパイプ椅子に腰掛けました。

胃が活発ではないけど、とにかく食べなきゃ!と蕎麦が口の中でお粥状になるまで噛んで飲み込みました。

ここのエイドのボランティアの人たちはみんな優しく、ボトルに水分を入れてくれたり、ゴミを捨ててくれたり、至れり尽くせりで、本当に感謝、感謝です。

まだ空は明るかったのですが、間も無く暗くなる時間。
ヘッドライトを頭に装着して、優しいケヤキの森エイドを後にしました。

エイドに入る前からみぞおちに痛みを感じていました。
初めはポールの振りすぎで腹筋が疲れてるのかな?なんて思ったのですが、そうではなく胃の痛みでした。

痛みはどんどん強くなり、途中から走れなくなりました。
今までに感じたことのない不快感で、対処の方法も分かりません。

上り基調の林道だから走らず少し歩こう・・・

奥信濃100の中で唯一のネガティブな時間でした。

どのタイミングで走り出したら良いのか分からない。みぞおちの痛みはずっと変わらない。
もう破れかぶれになって大きな声で歌い出しました。
みゆき、カモン!
中島みゆきの「ファイト!」です。
この旗を見るとつい心の中で歌っていましたが、心のリミッターが外れて大きな声で歌い出しました。

素敵な旗がいろんなところにあり
勇気付けられました。
中島みゆき様
ありがとうございます

歌を歌いながら、ただ歩いているだけなのに石につまづき両手を突いてしまいました。
とっても惨めで情けない気持ちになり「うわっ」って涙が溢れてきました。

そこから起き上がると急に走り出しました。
大したスピードは出ないのですが、痛いのは気のせいだ!とにかく走れ!と。

30分以上1時間未満は歩きましたが、そのまま闇落ちしないでよかったです。

レースに出る人の参考にはなりませんが、私の中で大事なターニングポイントでした。

ゴールするまで楽しかった
ありがとうございます奥信濃100

夜9時を過ぎて初めての100kmのゴールができました。
16時間19分59秒でした。女子20位。

最後の糠千エイド(95km)は田んぼの周りに鳴いているカエルの声がとっても気持ちがいいなぁという印象しか残っていません。

夜間走でヘッドライトの明かりを頼りに進んでいるので、自分の足元に没頭していたのだと思います。

何を食べたのか、何を飲んだのか、覚えていないし、胃の痛さとの戦いだったので何もとらなかったかもしれません。

ゴール直後は写真を撮る余裕もなく、50kmを走った友達が待っていてくれたのに、フラフラの塩対応しかできませんでしたが🙏やっぱり待っていてくれる人がいるというのは格別な嬉しさですね。
Sさんありがとうございます。

本当に美しい奥信濃の景色を堪能できました。
大会運営、エイドなども文句なし。本当に素晴らしい大会でした。
ご尽力してくださった皆様、ありがとうございます。

大会ブースでメダリストのジェルを5つ買うと1個サービスしてもらえるので、必ず買います✨

来年も出たいけど、他の大会との兼ね合いもあるので分かりませんが、トレイルランニングやっている人には絶対おすすめする大会です。

余談
100kmトレラン走って回復するまで

ホテル部屋に戻り、身の回りを片付け、お風呂に入りました。
100km完走できたら、乾杯したいなぁ🍺と思っていたのですが、胃が痛くてお酒もご飯も受け付けないほど弱っていました。

それでもホテルでもらったお弁当の白米とお漬物を2口くらい食べて、とにかく寝ました。

胃が痛くて深い睡眠に入れず、ムクリと起き上がったら吐き気があったのでトイレに行って戻してしまったのですが、なんと真っ黒でした。
おそらく胃から出血していたのだと思います。
そのまま朝まで浅い眠りで過ごしました。

胃潰瘍だと治るのに何週間もかかるようですが、今回は1日目はほぼ断食
2日目からは雑炊。
徐々に回復食で3日目には治りました。

自律神経が乱れたのか?胃液が大量に出たのか?分かりませんが、胃を壊すことがあまりないので、自分でも驚きました。

今朝(木曜日)、奥信濃100から中4日明けて、ようやくジョギングや水泳ができるくらいになりました。
ケガはなく、筋肉痛も2日くらいで取れたました。

自分用のメモとして回復過程も書いておきました。
私の主戦場はロータス治療院なので、疲労回復のスピードも大切です❤️‍🩹

長いレポを読んでいただきありがとうございます。
とにかくとてもいい大会でした。
絶賛、奧信濃ロスです。

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