腰痛が慢性化すると治りづらい理由
急に痛めた腰痛は比較的後を引かずに完治しやすいのです。
しかし、何年も患っている腰痛は、完治するのには時間がかかります。
整体は魔法ではない
「何年も悩んでいる腰痛が1,2回の整体を受けただけで完治した」
「ずれた腰をバキッと正せば、痛みが一瞬で消える」
そんな風に、整体に過度な期待をして来院する患者さんがいます。
でも整体は魔法ではありません。
体には今の状態を維持するような機能が備わっています。
恒常性と言います。
体温が上がれば平熱に戻すように働きますし、心拍数が上がってもしばらくすれば元に戻ります。指先を切っても、血も止まりますし傷も治っていきます。
ダイエットしても油断すればリバウンドしますし、筋トレしてもすぐには筋肉はつきません。
急に体重が減ってしまったら、そのまま死んでしまうことにつながります。
筋肉が簡単についてしまうと、基礎代謝が上がってしまうので、余計に食べ物が必要になってしまいます。
大昔の人類は、このように変化するよりは、現状を維持することで生き残ってきました。
腰痛も維持するようにはたらく
腰痛があって辛い状態であっても、体は今の状態を維持しようとします。
変化して今よりも悪い状態になってしまうよりは安全です。
腰が辛くても生きています。
変化して死んでしまうよりは、今の状態を維持しようとします。
実は、このように腰痛に対して恒常性が働くのには条件があります。
その条件とは「3ヶ月以上腰痛がある」」ということです。
3ヶ月同じ状態を維持していると、体はその状態を普通の状態と認識して、そこに戻ろうとします。
ダイエットも3ヶ月ほど体重を維持すればリバウンドしなくなります。
筋トレも3ヶ月ほどすると、筋肉が大きくなってきたことを実感するようになります。
腰痛も3ヶ月続いてしまうと慢性腰痛というようになります。
慢性化してしまうと治りづらいのは、恒常性が働くようになるからなのです。
逆にいうと、3ヶ月腰痛のない状態を維持することができれば、少しくらい腰に悪いことをしたとしても恒常性が働いてくれて、健康な腰をキープしてくれるようになるということです。
あなたが腰の痛みを感じているそしたら、3ヶ月よりも前に治すようにしてください。3ヶ月過ぎて慢性化してしまうと完治するのには、そこからまた3ヶ月かかってしまいます。
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