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腰痛の根本原因を考える

腰痛の根本的な原因は、腰椎のグラつきにあります。
腰椎がグラつかなければ、基本的に腰は痛くなりません。

腰は不安定な作りをしている

背骨は24個の骨が積み重なってできています。
上から頚椎という首の骨が7つ、胸椎という肋骨の付いた骨が12こ、そして腰の骨である腰椎が5つです。

画像を見てみると、頚椎と腰椎は積み木が積み重なったようになっているので、横から肩を押されたら崩れてしまいそうです。

それに対して胸椎には肋骨が付いていて、カゴのようになっています。
首や腰と比べると安定していてズレなさそうです。

実際、首や腰は椎間板ヘルニアが起こったりしますが、胸椎では聞いたことがありません。

首と腰は不安定な作りをしている

腰椎をグラつかせない仕組み

背骨の中には神経が通っています。
もし背骨がズレてしまって神経を傷つけたら大変です。
そのため体にはズレづらくなるような仕組みがあります。

背骨の構造でズレを防ぐ

代表的なものが生理的湾曲と言われるS字を描いている背骨の形です。
背骨はS字を描いているときが最もズレづらくできています。

人は良い姿勢を取っているとき背骨はS字を描いています。
逆に言うと、姿勢が悪い時はS字カーブが崩れているといえます。
そういうときは背骨は不安定になりズレやすくなります。

首だと特に判りやすいのですが、猫背にして顎を突き出した姿勢をとると首は不安定になります。顎先を横から押してみると首がふにゃふにゃします。
顎を引いて同様に顎先を押してみると、力を入れなくても首が安定するのがわかります。このとき首を安定させる専門の筋肉がナチュラルに働いてくれています。お腹もキュッと力が入りやすくなる感じがします。

姿勢が良い人は背骨がズレづらいので、首や腰を痛めづらいのです。

腹圧を高めて腰椎をズレづらくする

力を込めるとき人はお腹を固くします。
固くすることで、ふにゃふにゃだったお腹がビシッとして、自前のコルセットが作られて腰椎がズレづらくなります。
自転車のタイヤに空気を入れていくとカチカチに固くなるイメージです。

自前のコルセットを作るベースとなるのは腹式呼吸です。

筋肉で背骨をズレないようにする

首、腰まわりの筋肉を働かせると背骨がズレづらくなります。
通常は背骨をぐらつかせないための専用の筋肉で背骨を安定させます。
しかし、姿勢が悪くまた腹式呼吸も苦手な人は、背骨をグラつかないようにするのに動作のための筋肉を使ってしまいます。

これはS字カーブが崩れていても、腹圧が低くても背骨がズレないようにするための方法です。

痛みでズレないようにする

最終手段は痛みを出すです。

重いものを持つと痛いなら持たないし、腰を反らせると痛いなら反らさないようになります。

人は痛みを本能的に避けるものです。
動くと痛いなら動かないで安静にします。
動かさなければズレることはありません。

整体に来た患者さんの検査をするとき痛みの出る動作を確認します。
腰痛であれば、前屈、後屈、左右の側屈、左右のひねりです。

痛みが出る動作の確認は、腰椎がズレやすい方向や動作の確認作業になります。

もしどの動作であっても、痛みに変化が無く同じように痛かったり、安静にしていても同じように痛い場合は、腰椎のズレが痛みの原因でないことがわかります。そういう場合は内蔵疾患からの腰痛を疑います。



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