お尻が硬くなって腰痛になる原因を考える
お尻が硬くなる理由
お尻の硬さが腰痛を出しているという場合を例に、具体的に腰痛の根本原因を突き止めていってみたいと思います。
お尻の硬さが直接の腰の痛みの原因であれば、お尻を柔らかくすれば腰痛は無くなります。では、腰痛を出した原因であるお尻を硬くした原因は?と考えだすと、前回の記事でも紹介しましたが、腰痛の原因を見つけることは難しいものになります。
そもそも、お尻はなぜ硬くなったのしょうか?
お尻の硬さは、お尻の筋肉の硬さです。
筋肉は使いすぎても、使わなすぎても固くなるものです。
筋肉が硬くなっているのをコリと言います。
肩が凝れば肩こり、首が凝れば首こりです。
背中や腰もコリを感じます。
しかし、多くの方がお尻のコリには気がついていません。
整体院に来る患者さんも、お尻の筋肉を調整されて初めて「お尻って凝るんですね」と言います。
お尻の筋肉は、凝っている、硬くなっているという感覚も鈍い。
お尻が凝っていても、肩こりや腰のコリのような不快感も感じません。
そんな状態であれば柔らかくしようとか、ケアしないと!という気持ちすら湧いてきません。
どんなときにお尻は硬くなるのでしょうか?
重いものを持った
いつもはしない筋トレをやったかもしれませんし、重い荷物を持ったかもしれません。これらは日常的なことではないので、行動を思い出してみればわかりますね。
日常的に酷使している
ランニングを日課にしている人などは、お尻のケアが足りていないことがあります。
筋力不足
100キロ持ち上げられる人が50キロ持ち上げるのと、50キロが精一杯の人が50キロ持ち上げるのでは筋肉への負担が違います。
筋力が低いために、常に高重量のウエイトトレーニングをやっているようになっているのかもしれません。
筋力のアンバランスを補うため
拮抗筋が縮んでいるから、バランスを取るために固くなっているかもしれません。
肘の曲げ伸ばしを例にすると、上腕二頭筋という力こぶの筋肉は、縮むと肘が曲がります。
逆に肘を伸ばすときは、「振り袖」と呼ばれる、力こぶの筋肉の裏の上腕三頭筋を縮めます。
もし、力こぶの筋肉を固くしたまま、肘を伸ばそうとすれば、曲げる力以上の力で肘を伸ばさないといけません。
筋肉は意識して固くしなくても、凝っているときは多くの場合縮んでいます。力こぶが固く凝っていたなら、振り袖筋は肘を伸ばすたびに頑張らないといけなくなります。
同じことがお尻の筋肉にもおこっているかもしれません。
お尻の筋肉(大殿筋)の邪魔をする筋肉の代表が腿上げをする筋肉である腸腰筋です。腸腰筋の硬さがお尻を固くさせていることも多くあります。
長い時間座っていたから
筋肉は縮んで凝る場合と、引き伸ばされて凝る場合があります。
縮んで凝るのは、重いものを持ったりして、その部分の血行が悪くなったときです。
一方、伸ばされて凝るときは、筋肉が長時間に渡ってストレッチされているときです。
筋肉の中には血管が通っています。筋肉が引き伸ばされると血管も引き伸ばされます。血管はチューブなので、引っ張られれば経が細くなって血流が悪くなりそこにコリができます。丸まった姿勢でいると背中が凝ってくるのも、引き伸ばされたコリが原因にあります。
椅子に長く座っていると、お尻が痛くなることがあります。
映画館などでは、脚を組み直したり、肘掛けに肘を付いてみたり、集中して見ていられないときもあります。こんなときは股関節が長時間に渡って折られているので、お尻の筋肉は引き伸ばされています。
使われていないから
引き伸ばされている以外でも、座っていることが多いとお尻の筋肉は使われていません。
また、立っているとき、歩いているときに、足の拇指球に体重が乗らないと内股の筋肉が働かないために、お尻の筋肉の活動量は下がってしまいます。こんな人は上体を左右に揺らした歩き方をしているかもしれません。
まだまだ、原因はある
お尻が硬くなっている原因をいくつかあげてみました。
絡んだ糸を解きほぐしてくいくように、追求していくとまだまだ色々な原因がありますが、すべてを把握することは難しいものです。
そのため腰痛を改善するときは、歩き方や体の状態を観察して、話をよく聞き、筋肉に直接触れてというようにしながら、良くない部分すべてを調整します。