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スクワットよりも、バランスを崩さずに立てること

洋式トイレのせいで足腰が弱くなった

日本人の足腰が弱くなったのは、家庭のトイレが和式から洋式に変わり、深くしゃがんで立ち上がるという動作が減ったからだとも言われます。

世の中の流れでは、家の中もバリアフリーにして体に負担を掛けないことが良いという風潮があり、ソファーや椅子での生活が増えたことも、深くしゃがんで立つという、日常生活の中でのフルスクワットをおこなう機会を減らしています。

バリアフリー化が進んできた今、深くしゃがんで立ち上がるというスクワットを、意識しておこなう必要性が以前にも増して高まっています。

スクワットをする前に安定して立つ

スクワットをするには、二本足で安定して立つ必要があります。

いくら太ももやお尻の筋肉が強くても、安定して立つことができなければ持っている筋力を発揮することができません。
筋力は、一番弱い部分の筋力に引っ張られるからです。

一番弱い部分に引っ張れれるとは?

部分的に弱い筋肉があると、いくら強い筋肉を持っていても、その筋力を発揮することができないということです。

懸垂をするとき、ムキムキの上半身をしていても握力が極端に弱ければ、鉄棒にぶら下がれませんので、懸垂は一回もできません。

同様に、安定して立つことができないと、いくら強靭な足腰をしていても、地面に力が伝わらないので立ち上がることができません。

実際、スポーツジムで座っておこなうスクワットマシーンではかなりの重さを持ち上げることができても、バーベルを背負ったスクワットでは、足元がふらついてしまい、太ももやお尻に負荷をしっかり掛けられないということもあります。

スクワットの筋肉はとても大事ですが、まずバランスを崩さずに安定して立つことができることが重要です。

片足立ちができるか

歩くということは、片足立ちの連続です。
片足立ちでのバランスが取れないということは、「歩けない」に直結します。

人は脚から衰えると言いますが、老化の測定に「目をつぶっての片足立ちでの秒数検査」や、「立ったまま靴下を履けるか?」「二歩での最大距離の測定(ツーステップテスト)」「決まった高さの台から片足で立ち上がれるか?(立ち上がりテスト)」などが指標に使われます。
どれもどれだけ歩く力があるかの検査です。

立つということは、その延長線には歩くことがあります。
そのため歩くためには片足立ちでバランスが取れることが大事です。

腰痛や膝の痛みがある人は、片足立ちが苦手です。
そのためお尻をフリフリしながら歩いたり、上体を左右に揺らしたりする歩き方をします。歩き方が変わると腰や膝の痛みは改善してきます。

両足立ちでスクワットができるならば、片足立ちでバランスを取りながらのランジなどの種目にステップアップするのが、歩行につながるトレーニングになります。

ボート選手にはブルガリアンスクワット

筋力は弱い部分に引っ張られます。
ボートは両足でストレッチャーを蹴りますが、左右の脚でバランス良く蹴れないと、まっすぐに体を飛ばせなくなります。

特にスカル種目では、まっすぐに艇を進めるためにも片足でもまっすぐにストレッチャーを押せることが重要です。

ボートは座ってストレッチャーを蹴るので、スネの外側と内股の筋肉が弱くなりがちです。筋力は弱い部分に引っ張られますので、その二箇所が鍛えられると片足でもまっすぐにストレッチャーを押せるようになり、ハムストリングスや臀筋、背筋の筋力を活かせるようになります。

そのためにお勧めのトレーニングが、ブルガリアンスクワットです。
拇指球を意識すると、スネの外側や内股の筋肉も使われます。
バランスが取れないと脚の筋力を出せないことを実感できると思います。
自体重でもできますし、片手にダンベルやゴムチューブを持ったり、バランスディスクに乗るなどで不安定な状態を作っておこなうこともできます。



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