人生まだまだファンキーだ
「最後から二番目の恋」に改めてハマっています。
「最後から二番目の恋」とは、2012年1月クールにフジテレビ系列で放送された連続テレビドラマである。その後、2時間のスペシャルドラマをはさみ、2014年4月クールに続編として「続・最後から二番目の恋」が放送されている。
酸いも甘いも体験し、恋愛の季節が過ぎ去った男女が恋のようで恋でない絶妙な関係と淡い感情を通いあわせていく。
中井貴一演じる長倉和平(50才→52才)は、鎌倉市役所勤務で4人兄弟の長男。両親を早くに亡くし、一家の大黒柱としての責任感から実直に生きてきた。口うるさくもあるが兄としては立派で頼もしい。
小泉今日子演じる吉野千明(45才→48才)は、在京テレビ局勤務のドラマプロデューサー。数々のヒット作を世に送り出してきたが、仕事人間で温かい家庭生活とは全く無縁の人生を送ってきた。そうした独身生活に一抹の寂しさを感じ、同じく独身の女友達と一緒に鎌倉の古民家に住む約束をするが土壇場で裏切られ、やけを起こし一人で長倉家の隣に引っ越して来る。それ以来お隣さんとして長倉家と交流することが多くなり、個性的な兄妹たちとの繋がりを持っていく。
という設定。
基本的に、登場人物の対話を中心に描かれ、特に中井貴一と小泉今日子のどこからアドリブなのか、いやアドリブなんてないのか、そんなコミカルでかつリアル溢れる掛け合いは見ていて非常に面白い。
作品の中で、中井と小泉はお互いをおしどり夫婦のようにお互いを認め合ってはいるが、決して結ばれる描写はない。必ずしも恋愛やセックスに至らないパートナーシップもあり得るという多様性を投げかけている。
そして、人生はファンキーだとの言葉に象徴されるようにこれからの未来は決して悪くないというメッセージを感じる。
続の最終回で長倉和平が千明や兄弟たちに自宅についてこんなことを語っている。
親父とお袋が立ててくれたこの家。親父がこの大きいリビングにこだわりを持ってつくった。それぞれの部屋は決して大きくない。でもリビングだけは広い。それがいいんだというのが親父の考えで。家族が、家族じゃない人たちがいっつもここに集まって家族のようにワイワイガヤガヤやっているのが親父の理想だったらしい。
とってもいいよね。気の合う人が集う場所。家というか空間は人が通いあってこそ空間である。
そんな人がワイワイ交わる場所に住みたいな。いてたいな。
そして、吉野千明の強烈なメッセージとともにクライマックスへと繋がっていく。
人が大人になるということは、それだけ多くの選択をしてきたということだ。何かを選ぶということは、その分違う何かを失うことで、大人になって何かを掴んだ喜びはここまでやったという喜びとここまでしかやれなかったという思いを同時に思い知ることでもある。でも、その掴んだ何かが例え小さくても確実にここにあるのだとしたら、掴んだ自分に誇りを持とう、勇気を出して何かを選んだ過去の自分を褒めてやろう。よく頑張って生きてきた、そう言ってやろう。
そして、これからを夢見よう。世界を嘆くのではなく世界を信じるんだ。私だってその世界の一員なのだから。
48才の若造は今そんなふうに思う。
人生とは自分の未来に恋をすること。一人でするのがつまらなければ誰かと一緒に未来に恋をしよう。友であれ、恋人であれ、夫婦であれ、家族であれ、隣に気の合う誰かがいてくれさえすれば、人生はさらにファンキーになるはずだ。
未来を夢見ていこう。未来に恋していこう。
これからの未来はきっと素晴らしい。
人生、まだまだファンキーだ。
今日も一日ありがとう。