起業ロード⑨副業で開業届を出すべきか
会社員の副業の場合、収入がそこまで多くないケースもありますので、基本的には開業届を提出する必要はありません。ただし、事業と認められるような規模で継続的に行っている仕事があれば、開業届を提出したほうが良いケースもあります。
■事業になるケース
・投資用に賃貸物件を複数所有している（アパートであれば10室以上）
・会社と別にフリーでWebデザイナーの仕事を継続的に行っている
・オンライン講師で複数の生徒を抱え毎週講義を行っている
■事業にならないケース
・不要になったもの（生活用動産等以外）をフリマアプリで売った
・年に何回かハンドメイド商品をネットで販売している
・趣味程度に動画サイトで広告収入を得ている
その他にも、開業届のメリットとしては、屋号入りのビジネス銀行口座を開設できるなどのメリットもあります。
将来的に、会社を退職して副業を本業にしていくことを検討している場合もあると思います。
開業届を出すポイントとしては「事業性」ですので、副業時の事業をどれだけ「大きく」「継続的に」しているかによると思います。
なお、開業届を出していると、会社を退職した後に、失業手当を受給することはできなくなります。失業手当をもらうためには、青色事業廃業届を受理してもらい、個人事業主であることをやめなければなりません。
また、失業状態から開業届を提出すると「再就職手当」が支給されることもあります。
「再就職手当」をもらうには、「給付制限期間を含めた受給期間のうち再就職する日の１日前までに、受給期間の残り日数が１／３以上残っている」、という条件に当てはまらなければなりません。
例えば、受給期間が９０日あるとしたら、その受給日数が残り３０日になる前に開業届を提出して個人事業主になれば「再就職手当」がもらえることになります。
副業中に「開業届」を出すかどうかは、副業の事業性（その事業の広さや継続性）と、将来的に会社を退職した場合に、失業保険や再就職手当を見越していくかどうかという点が、ポイントとなりそうです。