銀行辞めずに起業して2年目の振り返り
はじめに
この度、弊社フクノネは創業から3期目を迎える。本記事では、弊社の2期活動総括と3期に向けた方針を記載していく(定量的なこと以外は極力リアルに記述する)。
私に関わってくださる方への報告と共に、今後起業を考えている方へ少しでも参考になればうれしい(が、基本的には自分自身に向けたものである)。
初めて読んで下さった方向けに、過去の経緯等を記載した記事を置いておく。銀行に所属しながら起業するという、極めて珍しい事例ではあると思うので、ご興味があればご一読頂きたい。
2期目を振り返る前に、初年度をほんの少しだけ振り返る。起業初年度は会社設立から1ヶ月で福祉経営を学ぶeラーニングのプレリリース、7ヶ月目で正式リリースを行った。そこからスタートしたのが2期目である。それでは振り返っていこう。
2期目の振り返り
成果
2期目となった本年度は「サービスを知ってもらう」ことをテーマに、まずは活動財源の確保に動いた。自身が金融機関の人間だったことで余計にデッドでの調達は最終手段(というかむしろ最初から検討に無かったという方が正しい)と考えていたため、補助金の獲得を目指して動いた。
結果的に、小規模事業者持続化補助金、三鷹市創業助成事業という2種類の助成金の採択を受けることとなった。これにより、全国的なDM発送、展示会への出展、リスティング広告の強化等「福祉経営を学ぶeラーニングを知ってもらう」ことに注力することができた。
そうした流れもあり、これまでの個人向けサービスから法人研修サービスとしての商談機会が増加した。また、それぞれの営業手法を試したことで、本サービスの特色でもある「中長期的な人材育成意向」「前向きな研修環境充実の姿勢」がある前向きな法人との相性が非常に良いことがわかった。
そういった前向きな法人が集まること、本サービスの性質(新規性が高い故、補足説明が必要なこと)から展示会等のリアルな場での接点との相性が良いことも判明。
また、今期は地方自治体のライドシェア事業への参画という新事業が始まった。自治体・大手企業との業務のため収益面で今期終盤から3期以降にかけて下支えとなることが期待されることに加え、全国に広がる公共交通空白地帯問題への取組は「福祉の根を伸ばす」という弊社の理念ともマッチし、今後の福祉業界への貢献という観点でも主力事業になりうる可能性を秘める。
課題
福祉経営を学ぶeラーニングについては、今後展示会出展等の広報活動を継続していくために、引き続き相応の予算が必要である(弊社に関わらず広報活動を行うすべての会社に当てはまる長期的な課題である)。
サービスの課題としては、eラーニングを使ってどんなアウトプットを見出すか、という点である。
個人ユーザであれば、「将来的な起業・継承」「自法人での中核人財になる」等といった明確なアウトプットが見える仕組みになっているものの、法人研修として捉えた時に「形としての成果」が見えにくいものへの投資はどうしても後ろ倒しになりやすいと感じており、何かしらの対応が必要ではある(必要性は理解してもらえるものの、導入に時間が掛かる)。
3期目の取組
福祉経営を学ぶeラーニングについては、自社コンテンツの追加と共に、外部講師を招いた特別講義の追加も予定。より多角的な知識の提供、実務的な側面でもアウトプットを想像しやすい講義カリキュラムへと進化させていく。
今後導入して頂く企業様を増やすには、ユースケースの積み上げと共に「法人利用で現れる成果」や「法人に合った使い方」の提案力向上、更には法人の困りごとを解消する新機能の追加が必要であると思料している(3期目は前者の優先的取り組みを計画)。
新事業についても、現在関わっている自治体でしっかりとした「成功の形」を作り、全国に広がる交通空白地帯の課題解決に向け貢献できるような仕組み、更にはそこに福祉事業者が参画できるようなモデルを見据えた動きをしていく。
現実的には、そうした形を模索する過程でしっかり収益基盤を作り、eラーニングの広報活動へ充当することで、中長期的な福祉事業の継続・承継へ寄与していく。
最後に(銀行人事部との話)
実は、当初銀行との取り決めでは現場復帰までは2年間という予定であった。つまり本来であれば、今頃何かしらの形で既に事業を手放すなどして、銀行内のどこかの部署で、すっかり忘れてしまったサラリーマンのリズムに汗汗している予定であった。
とはいえ、今夏に銀行の人事部へ現状を報告し、期間延長を相談、(人事部内で稟議が必要だったようだが)無事1年間の延長を頂いたわけだ。
これについては銀行への感謝しかない。何かしらの形で恩を返したい、と本気で思うほどには。
1年後自分がどうなっているかはまだわからないが、確実に言えることは、まだ自分は起業してから何も得ていないし、何者にもなれていないということだ。「自分が思い描いた自分」には程遠い。
そしてもう一つ「だけど毎日は楽しい」ということである。
3年目、更に頑張ろう。
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