魚が光って見えるのは鱗が剥がれ落ちているから
家の中で昨年USJで購入したジョーズの被り物を被ってみた。もふもふで頭がぬくぬくするのは秋の初めのこの時期にちょうどいい。テーマパークで連れ去られて行った被り物たちが棚を圧迫する厄介者として扱われていないか心配になる。キャラクターの被り物たちを保全する活動家として声を上げてみようか。ヘルプ被り物、被り物たちに自由を。
窓にうつる自分の姿を見ておかしくてたまらなかった。どう考えても頭が大きいのだ。細身の体型に、2まわりも大きい頭がついている。HUNTER × HUNTERの兵器ブリオンみたいで面白い。いや、誰が五代厄災やねん。それはそうと、この姿が「正解」とされていたUSJの世界観はよく作り込まれたものだと思うし、そこに没頭できる人達もまたテーマパークを存分に楽しむプロである。
自分は小さい頃からテーマパークに限らずどの場面でもテンションが変わらない。昨年行ったUSJでも例外なくはしゃぐことは無かった。それどころか、楽しみにしていたジョーズのアトラクションの列を前に当時のパートナーと喧嘩をしてしまい、無言のまま船をおりる事になってしまった。その後すぐに気を取り直して、気まずい雰囲気を感じながらUSJを堪能したのだが、閉園後言われた言葉が「楽しんでいるように見えなかったな」だった。自分なりに思い切りUSJを楽しんだつもりでいたのだが、彼女からすると乗り物の上で絶叫したり、お土産を何ひとつ買わなかったりしたことが不満だったのだろう。
小学校の修学旅行で行った仙台のお化け屋敷では、あまりの世界観の作り込みの甘さに、どこにどんなお化けが出てきそうかすぐに検討がつき、更には「きっとお化けはお客さんに触れてはいけないというルールがある」というスタッフ内のルールを推理し、お化け屋敷内を「ほらね」と言わんばかりに悠々と回った。その結果、お化け屋敷らしからぬゆったりとしたゴールを迎えることができたのだが、やはり本来ドキドキを楽しむアトラクションでスリルを削ぐ行為はしていけなかったと振り返って思う。一緒にいた友達には気の毒なので、あの時かかった別料金100円は返金してもいいと今でも思っている。ひとまず今夜はジョーズに頭を食べられながら床につこう。
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