アフガニスタン概要ー米軍撤退とタリバン支配の影響


中国にとってタリバンが勝つことはいい事
アメリカがアフガン撤退を発表してすぐにタリバンの外交部が中国と交渉済み
中国の一帯一路戦略の空白となっていた(不安定だった)アフガンが親中国となることのメリットは大きい
アルカイダが中国でテロを起こさせない事もタリバンと協力していくことで一致
タリバンはアフガンへの投資を中国から呼び込むことに成功
アメリカと、日本含む各国が20年間、莫大な金と人命をかけ、アフガン復興と新欧米、民主主義や基本的人権の尊重といった基本的価値観を共有する国に創り上げるプロジェクトは大失敗に終わった。
金、830億ドル
人、2448名
カブールの空港は米軍がコントロールしてるけど、そこへ行く道はタリバンが
厳格なイスラム法の適用によって国を統治することがタリバンですからね。間違っても民主主義的な政治体制にはならないと思います。
ただ、アフガニスタンも多民族国家なので、酋長やら長老の存在を無視して国を運営することはできないと言われています。事実、今回の米軍撤退からの各都市の制圧には、水面下でこうした人たちや県知事と事前に交渉をし身の安全と引き換えに無血開城を実現してきました。
また、96-2001年までアフガンを支配していたタリバンも、20年経って
以前のような武力や恐怖を元にした支配体制は、国の内外から批判され得るので、ある程度の変化はあるだろうと言われています。
一例としては、イスラム法に準拠はしながらも、元大統領で国際社会からも一定の信頼があるのカルザイ氏とこれからの国の運営について話し合ったりはしているようです(と、タリバンは言っている)。
また、女性の権利のついても一定程度は認めることで国際社会からの批判をかわそうとしているようです。
アメリカとしては、撤退のムードになったのはオバマ大統領の時で、撤退交渉をしたのはトランプ政権。そして、実際の撤退作業をしているのが今のバイデンです。

アメリカ国民もこの最長の戦争から撤退することに概ね賛成していました。問題は、和平合意無しで撤退を決めたトランプ、撤退開始により正確な情報を得られず、当初のスケジュール通りで撤退を勧めてしまった結果、予想を上回るタリバンの反撃を生んでしまったのです
撤退の理由は、金もかかるし人も死ぬから。これ以上は無理ってのが一つ。

そして、バイデンとしてはこれからの中国との対決(戦争に限らず)に備えるためです。

しかし、20年かけて行っていたはずの警察組織改革(SSR:Security Sector Reform)やアフガン国軍の訓練が不十分のまま資金と装備を提供しただけで、撤退してしまったので、まさに、魚を与えただけで、釣り方を教えていなかったわけです。アフガン国軍は民族もバラバラなうえに、賃金も未払いが続いており、横領や不正も横行していました。

また、中国についても、タリバンは今年の7月に中国と会合をしています。その時に、アフガニスタンがテロリスト(アルカイダ等)の温床になるようなことにはしないことと引き換えに、中国からの莫大な投資を約束しています。中国としても新疆ウイグル地区(イスラム教)が、アフガンと接しているため、タリバンとの交渉は価値があったのです。アメリカが20年かけて実現できなかったアフガンの平和と安定が、(タリバンによって)中国が実現すれば、中国の国際的地位は上がります。ってか世界一に名実ともになるでしょう。

日本はアメリカや台湾、オーストラリア、インド、イギリスと共に開かれたインド太平洋を目指して中国と対峙していますが、アメリカが中国のために撤退したことで、逆に中国の国際的立場をあげることになり、増々中国の勢いを止めることが難しくなってしまいました。

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