見出し画像

【Q&A】用途変更 ≪ざっくり編≫

「用途変更が初めてなので、どうしたらいいか分かりません。」
というご質問がなんだかんだ一番多いかもしれません。
ネット等で検索すると、遡及される項目等がビッシリ解説されているものや具体的に手法が書かれているにもかかわらずです。
知らない、自分が経験したことのない項目に挑むことはとても不安なもの。ざっくりイメージさえ持てればいいのかもしれません。
ですので、今回は用途変更で私が気になるポイントをざっくり書きます。
これだけ読んでも用途変更を100%取得にはなりませんのであしからず。

①確認済証・検査済証の有無の確認

検査済証があれば、確認済証は最悪なくてもどうにかなります。重要なのは完了検査を受けた履歴があるかです。済証の写しがあるのがベストですが、なければ役所等で台帳証明で確認できるケースもあります。ここで検査済証がない、はたまた確認済証の履歴すらない場合はいばらな道を進むことになります。いばらな道についてはまたいつか。

②検査済取得後に増築等の変更が行われてないかの確認

別変更されていてもいいのですが、変更の履歴については確認が必要です。

例えば
・直近の確認申請にない増築部分がある ⇒ 手続き違反の可能性がある
・用途変更されているが確認申請の履歴がない ⇒ 手続き違反の可能性がある
・間仕切り変更されているが排煙設備の規定に適合していない ⇒ 是正が必要な可能性がある

等、変更されている場合は何かしら対応しなければならない項目が浮上するケースがあります。ゆえに直近の確認申請からの変更の要否確認は重要になります。

③意匠図は部分的に既存図が活用できる

新築の確認申請ではゼロからすべての図面を作図するかと思いますが、用途変更の場合は原則論でいえば用途変更する部分の図面とその他既存図面をうまく活用すればどうにかなります。例えば配置図は原則変わってなければ、その図面に記名すれば設計図として活用できます。ただ外構等が変更されていれば修正が必要です。

該当する法規については、法令集やその他ウェブサイトに委ねますが、大体避難規定と内装制限、その地域の建築基準条例は該当してきますので、しっかり確認が必要です。
イメージは現行法でクリアされていれば問題がなく、逆に現行法に合致していな部分について遡及するかどうかを逆引きして進めた方が早いかもしれません。

意外に盲点になるのは居室面積です。用途変更で室を全部居室にしてしまい階の居室面積が増え、たとえば階段幅が広くなったり、二直が必要になったりします。
またその当時の確認申請当時から適合していない部分がある、みたいなこともよくあります。その場合は行政協議などを行い、ある程度方向性をみつけてから進める方が良いかと思います。

またバリアフリー法は条例により該当面積が引き下げられているケースもあり、建物に与えるインパクトが大きいのでそこはしっかり確認していきましょう

④荷重検討は行う

構造の規定は遡及しませんが、用途変更後の用途で危険性が増大してはなりませんので荷重検討が必要となります。

⑤設備図は確認申請に必要

用途変更の場合、工事規模が比較的小規模なケースが多いので設備図を依頼されていない場合が結構あります。しかし確認申請上は設備図も項目によっては必要になりますので、事前に段取りをしておく必要があります。施工業者さんが決まっていてその方に依頼するみたいなケースも少なくありません。

⑥消防同意はあります

意外に消防同意は時間がかかるケースが多いです。やはり既存図から読み解くので、事前相談ではあっさりなのにいざ消防同意にまわると質問攻めにあい、うんざりしてしまうようなこともあります。

⑦スケジュールは余裕をもって

これも「あるある」のことですが、誰もが用途変更は新築より早く確認申請がおりると考えがちです。確かに構造の審査は限定的ですし、規模も比較的に小さい。しかし、既存建物を扱うということは何かしら問題が発生する可能性は新築より高く、経験上はなんだかんだ新築と変わらないスケジュール感覚です。ことさら慣れていない方がやれば猶更です。
ゆえに、スケジュール余裕を持ちましょう。

ざっくり7点をあげました。
冒頭に書いた通り、これだけ読んでも用途変更の全貌には至りませんが私が相談を受け、アドバイスする内容としてはこのようなコトです。もちろんこれだけではなく意匠系の詳細や遡及内容、違反等があればしっかりサポートさせて頂いてもおります。

少しでもご参考になれば幸いです。

=======================
建築基準法に関するコンサルティングサービス一覧
=======================

いいなと思ったら応援しよう!