「指定確認検査機関等の処分について」の報道発表をみて思ったこと。
平日は毎日のように国交省のページをチェックし、法改正情報等の情報を集めています。
先日、そのルーティーンの中で「指定確認検査機関等の処分について」というタイトルで報道発表が掲載されていました。
このタイトルを見つけると未だにヒヤッとします。
その原因は未だに「私も処分の対象になる可能性がある」からです。
私は現在、確認検査機関に勤めているわけではないのですが、このようの処分は何かしら不備等を起こし、即処分をされるわけではなく、数年経過してから処分されるケースも多いからです。
もちろん確認検査機関時代もしっかり建築基準法を読み込み、日々精進しながら業務にあたっておりました。しかし可能性という点ではゼロではない、ということを多少意識してしまいます。
「あの時のあの案件はあの解釈でよかったんだよな!」みたいなことも少なからずよぎったりします。
確認検査業務とは今思えば本当に特殊なお仕事だなと思います。
ざっくりビジネスモデルにすると、
工事着手をしたいクライアントがいて、工事着手に必要な書類を交付することができるのが確認検査機関。「必要な書類の交付すること=計画建物が建築基準法等通りかについて確認する」が対価を支払われる商品になるのですが、そのプロセスや良し悪しの判断が通常の商品とは異なる気がします。
行政手続きをするときに書面で手続きを行うかと思いますが、位置づけとしては書面の内容が間違っていないかを確認すると原則同じなのですが、確認検査業務のプロセスは全く異なるように感じます。
「建築基準法とその関係規定に適合しているかを確認する」という一見単純な行為なのですが、法令自体があいまいな項目も多いため、特定行政庁や確認機関ごとその判断が異なったりします。
民間の確認検査機関にいたっては、その手続き自体がビジネスになっているため、クライアントと寄り添い方が非常に難しく、またその手続き対しても処分等のリスクも付きまとっているという非常に難易度が高いビジネスだなという認識です。
ビジネスという観点では「確認検査機関を如何に選択するか」というのは、設計者サイドの判断も難しいですし、また「確認検査機関側もどのようなスタンスでクライアントにサービスを提供していけばいいか」ということも、とても難しい。もちろんコンプライアンスは前提だとは思うのですけど。
のように、ビジネスモデルとしてもなかなか特殊であるということを再確認しました。
「建築基準法とその関係規定に適合しているかを確認する」という行為はシンプルなのですが、どうしてもヒューマンエラーが生じてしまうということは事実です。そのエラーを少しでもなくそうと多くの確認機関が試行錯誤をし、業務にあたっているのだと思います。
決裁をするためのルールや分業方法等、そうすることによって手間や人工がかかってしまうので現在の働き方改革が浸透しつつある現在、如何にリスクを減らしながら効率的に業務にのぞめるか、私も確認機関時代にはよく考えていた項目です。
私は確認機関時代はサービス業という認識で業務に励んでいました。
質疑応答等のやり取りも多いので、如何にお客様ファーストでいけるかということを日々考えていました。今思えば、それら接客行為も好きだったので、技術+サービス業という業態が私には合っていたのだなと思います。
今私がしているワクコエテも根底にはその思考法がいきているかもしれません。如何にお客様に寄り添えるか、また技術面ではどのようにお役に立てることが出来るのか。この考え方は確認機関時代に培われたんだな、ということを再認識しました。
今回は違うタイプの記事を書いてみました。
法規メインでいきたいと思いつつ、自分が感じたことも今後は綴っていきたいなと思います。
おしまい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?