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どうなる?「データの分析」

しばらく更新をサボってしまった。待ってくれてた全国1億人のファンの皆様大変申し訳ない。ファンなどいるはずもないが1億人いると思い込んでおけば私のモチベーションが上がるのだ。

さて,共通テストの件でも早めにやっとけと書いた「データの分析」。今回はこの分野に関して少し書いておこうと思う。

データの分析という分野について

今世間ではビッグデータを扱うことができる「統計に強い人材」が多く求められているらしい。統計専門の大学院のコースも設けられたりして,その流れは少しずつ,しかし確実に大きくなりつつあるようだ。文科省もそうした潮流を考慮したのか,次の指導要領から「統計重視」の姿勢を打ち出してきた。その前座に当たるのが,現在のカリキュラムで数学Iに含まれている「データの分析」である。

以前までも「確率分布と統計的推測」という分野で扱われてはいたのだが,数学Bの奥の方にあり,数学Bは分野選択ができるため事実上存在しないのと同じだった(大多数の高校生は数列,ベクトルの2分野を履修する)。ところが今カリキュラムではこの分野のうち「データの相関」までの内容が数学Iに格上げされ,必修化されたのだ。

もっとも,相関までの内容は非常に薄く,履修すべきとされている内容も非常に少ないので,その気になればマスターするのは容易である(力のある高校生なら90分で全内容をマスターすることも可能)。というわけで共通テストにおいてはこの分野はまず取りこぼしをすることなく「得点源」として扱うべし。

問題は個別試験(二次試験)

これまで個別試験において統計的推測の分野を入試に出した大学はほとんどなかった(出したとしても選択問題)。今のカリキュラムになってもまだまだ多くの大学が出題しているとは言い難い。ところが,頻出分野に格上げしてきた大学がとりあえず一つある。それは京都府立医科大学である。

私はここ数年この大学の模範解答を書いているのだが(予備校内での内部文書的なもの),ここ数年は2~3年に一度の割合で出題している。単科医科大の入試問題は基本的に難しいし,京府医はその中でも全国有数の難問を出す大学として知られているから,こんな内容の薄い分野から出題するなんてあり得るのかと思うかも知れない。

しかし,融合問題にすることでこれは難なくクリアできるのである。整数との絡みもあるし,分散の計算などでは数列の総和計算のスキルを問うこともできるので,複数の分野を融合させることによって難問を作ることはできる。そうしてまで出題しているのだから,大学側の「うちは統計を重視するよ」という確固たる意思を感じないわけにはいかない。

あと,私立大学での出題は目立って増加しているように思われる。関西圏では立命館大学が筆頭。この大学は例年変な問題をいろいろ出すが,その中に「実生活にリンクさせた問題」がある。ここに統計の要素を入れるのはごく自然な発想である。コロナ禍を題材にした問題など,いくらでも作れそうだ。元ネタの統計データは厚労省のサイトにでも行けばいくらでも転がっているだろう。

まとめ

データの分析は共通テストだけではなく個別試験でも出題が増えるかも知れない。入試問題集を見ていろいろな問題に当たっておくのが望ましい。根本に流れる思想を理解することも忘れないこと。

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