精鋭たち
我が家にはよく子供たちが遊びに来てくれる。もとはといえば、私がトムソーヤの家みたいなのに憧れていて、家の中に自作のブランコだ、ハンモックだとワイルドに遊べるものを設置していたせいだと思う。娘の年齢が大きくなるに伴って、遊ぶ方々もアグレッシブになり、悪意のない破壊行為や予期せぬ転落などが多発したので、やむなく撤去することになった。
そのかわり、工作や実験をするようになった。あるときは、庭でメントスガイザーの実験をしてコーラまみれになったり、段ボールを切り刻んで、既製品を組み合わせた巨大リカちゃんタウンを作ってみたり。
ただ、昨年から私は在宅ワーカーになったので、「いつでも家にいる=いつでも遊びに行ける」という認識が定着し、若干困ってはいる。遊びにきて、尚且つなかなか帰らないのも課題。
昨日も、予定外に昼間会ってしまった子供たちが、遊びにいきたーい遊びに行きたーいと呪文のように唱える。初めは聞こえないふりをしていたけれど、途中で根負けして、「私は仕事します。子供は勝手に遊びます。」という協定を締結。
彼女たちは、工作大好きなのである。普段から、我が家に来るとすぐあれこれ引っ張り出して工作をはじめる。片付けずに放っておいたアマゾンの段ボールなんて見つけた日には、立派な大型バスを制作し、家中の人形たちが乗り降りを強いられる。あるときは、大きい布はない?長いひもはない?などど、つぎからつぎに我が家の備品を2階に持ってあがり、それは立派な秘密基地(テントのような)を製作していた。
そんな「キットのいらない人たち」なのではあるけれど、今回は特別に工作キットをシェアしてみた。大分のファブラボさんからお借りしてきた貴重なワークショップの教材である。(本当はモチーフがハロウィンシーズン用とのことだけど、昨今の長期休みの子供たちのためにと分けていただいたもの。)
アクリル板をレーザーカッターで切り出して作ったパーツを、自由に組み合わせてオリジナルの指輪を作る。アクセサリー大好きな子供たち。あーでもない、こーでもないと言いながら、全部の指に輪っかをはめてみて、それぞれに2個ずつ指輪を作った。
スマホのカメラの余計な気遣いで、透明なパーツがとんでしまう。
「あー写んないな、これ!」と呟いたら、「うふふうふふ、いいねいいね!心霊写真だね。」って子供たちが笑う。
なんなの、その機転のすばらしさ。あなたたち、神の子ですか。
手を動かすこと。
頭の中のイメージを、形にすること。
目の前のものを楽しむこと。
すべては連なって、彼女たちを無敵にする。
そうだ、そのまま楽しく生きるがよい、かわいい精鋭たちよ。