つくるための「思考回路」
まだ集えた頃の記録。
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近所の子供たちを募って、オリジナルバッグ(サコッシュ)を作った。庭のウッドデッキにテントを張り、シートをひいて、天気も最高な工作日和。
事前に子供たちには絵を描いてもらい、お母さんたちに写真を送ってもらう。その写真をもとに私がデータをつくり、カッティングマシンでシルクスクリーン用のテンプレートを作成。当日はシールをはがし、インクをのせてプリントしたら、スタンプやキラキラのストーンで装飾する。(絵を準備できなかった子供たちには、こちらで数種類イラストを準備しておき、選んでもらった。)
お日様のおかげで、インクの乾きもはやいはやい。
子供たちはそれぞれに、黙々と作業する。この日は数名のお母さんたちも作業をお手伝いしてくれて、とてもありがたい。細かい作業に子供より熱中してしまうひともいたり。
私が子供たちと工作をしたいのは、工作を教えるためではない。絵が上手になるためでもない。センスのいいものを作るためでもない。つくりたいものを好きなように、表現したいものをそのままに、それぞれのありのままを許容する場所と時間を作りたい。正解も間違いもない。優劣もない。ただ、何かをつくる過程で問題が発生したとき、どうしようか一緒に考えるために私がいる。
とはいえ、いろいろ思いはあっても、普段はめんどくさいので、ただ「工作やりまーす」と希望者を募っている。
自分の好きなもの(自分に必要なもの)をわかっていること。そして、自分で考えてなにかをつくるための「思考回路」を得ることは、生きていくうえでとても重要だと思う。
ある日、無人島に置き去りにされたら、食料を得ることや、寝床をつくること、さらに島を脱出する方法を考える必要がある。または、世界がウイルスの脅威にさらされて外出自粛を求められたとき、絶望せずに、きっと自分の時間を楽しめる。
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工作を終えて、走り回ってはしゃぐ子供たちの声が懐かしい。はやくまた安心して集まれる日が来るように祈りつつ、今できることを楽しもう。