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「聞こえてる?」と聞かれて、「聞こえてますよ」と答える。何気ない動作が煩わしくて、僕は電話ごとこの世界から消してしまおうかと思った。そもそも聞こえていなかったら聞こえているかどうか答えることなんてできないのだから、その質問には何の意味もなくて、ただただ人間が安心するためだけに受話器を震わせる虚無でしかない。それなのに僕だってきっと、誰かに電話をかけたら「聞こえてる?」なんて何の気もなしに尋ねてしまうのだ。大体いつも電話をかける時は緊張しているから、喉をならすためにはそんな挨拶
呼吸が不意にできなくなった。世界の全てが止まってしまったかのようだった。無慈悲にも時計の一瞬を刻む音は止まない。今何時だったっけ、と不意に思う。全てがスローモーションのようで、なんでそんなことを考えてるんだろうとすら考える時間があった。13時だった。朝起きてご飯を食べて、今日は日曜日だからって先生に勧められたビジネス本を読んでたら眠くなった。何もできずに日曜日が終わってしまうなあなんて思いながら、あっち側とこっち側の狭間にゆらゆら浮かぶ。あの状態を眠っていると呼ぶのは些か腹が