子どもが1歳のときに起業!手の届く範囲を幸せにするために大切にしていること/ママフ合同会社 藤田さまインタビュー
こんにちは!埼玉県・和光市の市民ライター土井 歩惟です。
今回は、*Matterport(マーターポート)で、わぴあ内の「総合児童センター・市民プール」や「おふろの王様和光店」を撮影していただいている、ママフ合同会社の藤田さまにお話を伺います。当日は、小学生になったばかりのお子さんとインタビューに参加してくださいました。
*Matterport(マーターポート):360度カメラ。最近は、不動産の内覧でよく使われています。
ーーーーーそれでは、自己紹介をお願いします。
ママフ合同会社の藤田です。子どもが1歳のときに起業し、在宅でできる地域ポータルサイト「街すき」というウェブサイト運営からスタートしました。他にはMatterport(マーターポート)という360度撮影できるカメラを使い、戸建てをはじめ、わぴあ内の「総合児童センター・市民プール」や「おふろの王様和光店」の撮影も行いました。
「街すき」は大手サイトと違い、地図上にお店の場所が表示されるので、広告費をたくさん払う事業者が優先されるようなサイトではない上、全て無料で掲載できるサイトとなっております。特に地域で頑張っている小さいお店を応援する目的で運営しており、わたしの事務所があった朝霞市を中心に和光市・新座市・志木市にある店舗を掲載しています。今後もたくさんの事業者と利用者の橋渡しができるようなサイトを運営していきたいと思います。
ーーーーー会社名の「ママフ」には、どのような思いが込められているのですか?
・社名は3文字
・世の中にない言葉を選ぶ
・誰でもわかりやすい社名
・「ママ」という言葉を入れる
ということを意識し、考えた社名が「ママフ」でした。社名を考えるときに、たくさんの意味を持たせる場合が多いと思いますが、正直、わたしの会社名に深い意味はありません。
ただ、わたし自身が、子どもがなかなかできない体質でしたので、社名に「ママ」だけは付けたいと思っていました。ママになったら一生ママであり、子育てと同じく「人に優しく」という気持ちでたくさんの人と接していきたいという思いも入っています。また、公にはしていませんが「ママ&ファミリー(ママと家族)」を略してママフという意味もあります。
ーーーーー社名の由来にグッと来ました。藤田さまは、お子さんが1歳のときに起業されたのですね。
はい。約1年間の育休が明けて、4月に職場復帰をし、その年の12月に会社を設立しました。建築系の大学を卒業し、建築系の会社に就職。その後、WEB関係の仕事をしたり、結婚式のカメラマンをしたりと、自分の好きな事を仕事にしてきました。
会社を設立するにあたって、何をしよう?と考えたのですが、子どもも小さかったので、在宅で仕事ができ、当時住んでいた朝霞市に関連した何かできないか?と思ったんです。
元々、人と話すのが好きなことと、WEBとカメラが出来ることで、事業をしている人のサイトを開いたら良いのでは?というところから「街すき」がスタートしました。最初は、出産・育児に関連る情報や公園の場所情報など、子ども関係の情報を入れていたんですが、掲載の幅を広げ事業者の情報や求人を掲載し始めました。
ーーーーーわたしも、ちょうどこの4月に育休が明けて職場復帰したところで、この時期ならではの大変さに直面しているところなのですが、会社設立当時、大変だったことはありますか?
大変だったことはたくさんあるんですけど、夫が香川県出身、わたしも新潟県出身で近くに助けてくれる人がいないため、子どもに何かあったらすぐに休まないといけない状態だったんです。
そうした状況の中、一番焦った事は予定のブッキングです。すでに事業者様と決まっていた日に違う業者様が「この日にお願いします」と言ってくることがありました。わたしの身体はひとつしかないですし、周りに頼める人もいなく、しかも息子が保育園のときは9時〜18時の間しか動けないのでどうしよう?となって、リスケジュールしないといけない場面が多々ありました。
ーーーーーお子さんが小さなうちは特に大変なことも多かったと思いますが、そもそも、なぜ起業しようと思われたのですか?
高校の時から漠然と起業したいと思っていたんです。今まで経験してきた「建築」「カメラ」「WEB」を活かして何か出来ないか?ただ、母となった今、再就職するのもなぁ・・・と。悩む日々でしたが、起業するにあたって一番心の支えになったのが夫が会社員でいてくれたことです。夫が会社員として仕事をしていてくれたお陰で、「わたしの収入が減ってもやっていけるし!今しかない!」と思い起業に至りました。
建築系のスキルを磨き、カメラマン(結婚式のスナップ撮影)をしてコミュニケーション力と体力を得て、WEB関係の仕事を通してホームページ制作の基礎を学んできた結果、動くこともデスクワークもできる性格なんだと気づき、それが起業のきっかけの一つとなりました。
ーーーーーなるほど。藤田さまの性格が、とても起業に向いているなあと思いました。では、会社を運営するうえで大事にしていることを教えてください。
まず、根底には夫が会社員として仕事をして稼いでくれているので、自分が安心して仕事が出来るというのがあります。経済的にも精神的にも基盤があるから、やりたいことが出来ていると感じます。それを踏まえて、会社の規模を大きくすることには拘らずに、自分ひとりで出来る範囲でやりたいことをやって、自分が幸せになる、というのを大事にしています。妻が幸せだと、家庭が円満になりますしね。
仕事上で関わった皆さんとの付き合いを大事にしたいので、自分で抱えきれないほどは営業しすぎないようにセーブしています。出来る範囲で、言い換えると、受けた仕事は100%出来るという範囲で仕事をして、その中でお客さんに掲載出来て良かったと思ってもらえたら嬉しいです。
好きなことと出来ること。点と点がつながり、事業が展開していく
ーーーーー「街すき」からスタートして、そこからどのようにマーターポートの事業を始められたのですか?
「街すき」は、ホームページをつくって、自分で営業して、「掲載させてください!」というところからスタートしました。おかげさまで事業基盤が出来たものの、ひとつの柱だけではダメだと思ったんです。一人でやっているので、一つの柱が倒れると終わってしまいます。そうならないために「街すき」を3年やったところでカメラもやるようになりました。
「街すき」には、360度ストリートビューの掲載も行っていたので、そこからカメラの事業が独立したとも言えますね。わたしの中では、好きでやってきたこと、出来ることといった、点と点がつながった瞬間でした。
ーーーーーわぴあでの撮影は、どのような経緯でされることになったのですか。
わぴあの案件は、こちらから営業をかけました。まず、市役所にメールで問い合わせをしたら、当日中に市役所担当者の方から「お願いします」と言っていただいて、わぴあ運営の担当者を紹介してもらいました。
和光市の児童館には今あるわぴあの前から子どもと通っていた経緯もあり、マーターポートを通じて勝手にわぴあの広報として手をあげたんです。深夜から夜明けにかけての撮影もありましたが、撮影し終えた時はほっとしました。みなさんぜひわぴあのホームページを見て、遊びに来てください!
ーーーーー「街すき」に続いて、マーターポートも次の柱になりそうですね。
はい。ひとつの柱の中に小さい種がポコポコと出来てきているような気がしています。それをいくつかやっているうちに大きく出来れば良いなと思います。事業を色々とやって、失敗はあって当たり前、やってみた事業が無くなることもよくあることなので、たくさんの「点」をつくって、なるべくその中で人とのつながりが出来れば良いと考えています。
ーーーーー事業で関わったお客さまとの嬉しかったエピソードはありますか。
「街すき」に掲載している中には、飲食店もあるのですが、取材の後に食べに行くなど、つながりが継続するんですね。食べに行かなくても、近くを通ったときに挨拶をしたら、ジュースを出してもらったり。ただ住んでいるだけだと、なかなかそこまで入り込めないですよね。
ただお店に行くだけ、食べに行くだけでも、事業でのお付き合いがあると、一言上の会話が出来るから面白いなと思います。そういうことが続くと、街に愛着が湧いてきますね。
ーーーーー逆に「ここは苦労するな」というエピソードはありますか?
ホームページをつくっている上で、自分の知識以上のことが発生するんですよ。画面が動かなかったり、真っ白になったり。PC上のトラブルに時間を取られることがあるのですが、今はネット社会なので、調べたりして今のところ順調です。
ーーーーーレベルアップしてますね。
そうですね。いつもノートにトラブル回避をメモしておくことで次に活かせたり、また同じことがあればこのメモを見て乗り切れます!逆にこのメモが無くなったら、わたしはやっていけません(笑)。トラブルはたくさんありますね。
仕事もプライベートも、やりたいことがたくさんある
ーーーーー今後、どのような会社にしていきたいか、教えてください。
まずは「街すき」ですね。今は休んでいる期間があるので、もう少し増やしていきたいです。川越市に引越しをしたので、今後、川越市のことを広げていければもっとサイトを大きくしていけるかなと考えています。
カメラのほうは、今後、子どもが大きくなったらもう少し自分のフィールドを広げられるので、全国規模でやってみたいという目標があります。友人など、違う場所でリモートでお仕事をお願い出来ればなって思ってるんです。全国どこへでもサポート出来る体制を取っていけたら良いですね。
ーーーーー具体的に考えていることはあるのですか?
カメラで言えば、カメラ本体をわたしが送りさえすれば、お客さんが遠くにいようと、技術を教えて撮影出来るんです。データもやり取り出来ますし、「今〇〇にいる」とか「今終わりました」とか教えてもらえれば。「街すき」はわたしの周りで、カメラは全国規模で。その中でまた新しい事業が、ぽこんと出てくるのかなって思っています。
ーーーーー今後、会社や事業以外で、挑戦していきたいことはありますか?
旅行が好きなんですよ。海外にもよく行ってたり、留学もしたりしていたので、コロナが落ち着いたら海外にたくさん行きたいです。今度はわたしひとりではなく、子どもと一緒に日本中や世界中を旅行できたらなぁ、と思っています。
ーーーーー旅行を通して得たものは、きっと事業に還元出来ますよね。
そうですね。旅行先で「これ、事業にならないかな?」っていう目で見てしまうので、他の人とは見方がちょっと違うかもしれないですね。新しいお店を発見すると「何だろう?あ。これが今売れているんだ」と、そういう目で見てしまうところが、職業病みたいなものですね。旅行、兼、事業探しみたいな感じかもしれません。
あとは、次のステップとしては、カメラを大きくしたあとは飲食店もやりたいですね。昔から飲食店をやりたいと思っているんですが、夫が「人の口に入るものはリスクが高い」と言ってきまして。確かにそうなんですよ。そうなんですけど・・・やりたいんです。私には姉がいるんですけど、姉が昔からカフェをやりたいって言ってるんです。そういったことを昔から聞いていたので、わたしの立場で出来ることは何かな?何かしてあげられるかな?と模索しています。
ーーーーーやりたいことがたくさんあって、バイタリティにあふれた藤田さまのお話をお伺いして、とても刺激になりました。
1歩出るのがすごく大変なんですけど、出てしまうとやらなきゃいけないことがたくさん出てきて、そうすると、また火がついて、それが楽しいと、また2倍3倍の力が生まれる。簡単には言うんですけど、難しいことをやったときの嬉しさはひとしおですね。
今は子育てがメインなので、子どもを犠牲にしてまで仕事はしないようにしています。なので「じゃあひとりで出来ることをやろう」っていうのが根本です。
ーーーーー仕事はしたいけれど、子どもを犠牲にしたくはない。それはわたしも同じ気持ちで、それでもこれだけ出来るんだっていうことは、わたしにとって学びになりました。最後に、お客さんへのメッセージをお願いします。
「街すき」は、無料でやっているので、メールをいただければ、即動きます。お店の掲載を希望する方は是非ご連絡ください。店内の360度写真も撮影できますので!カメラはお付き合いがある方からのご紹介だとお安く出来ます。この記事を読んでご連絡くださった方はお値引きしますので、ご相談ください。
今回のインタビューで、藤田さまが「自分が幸せであることが家族円満の秘訣」と語ってくださったときの笑顔が、とても印象的でした。ご自身の生活や、ご家族を大切にされながら、仕事とのバランスを上手く取っていらっしゃるように感じ、大変勉強になりました。ありがとうございました。
ママフ合同会社 https://mamafu.co.jp/