イベントレポート 第6回わぴあ未来講演会
和光市広沢複合施設「わぴあ」の広報担当をしております谷田貝と申します。
さて、前回の2022年12月に引き続き、3か月に1回開催をしている未来講演会について深堀りをしていきたいと思います!
前回のこちらのイベントレポート 第5回わぴあ未来講演会はご覧いただけましたでしょうか!?もしまだ読んでいない方は、ぜひご覧ください!
今回は、3月25日(土)に開催いたしました第6回わぴあ未来講演会のイベントレポートになります!
本編に行く前に、わぴあで開催される未来講演会についてのおさらいです!
「未来講演会」とは
「わぴあ」にて3か月に1回開催される「未来講演会」とは、未来に向けて努力している人、リーダーシップを発揮している方をお招きして、新たな「モノ」「コト」「人」との出会いのきっかけを提供しています。
第6回わぴあ未来講演会 「やってみよう、国際協力ボランティア!」
第6回わぴあ未来講演会(2023年3月25日開催)は、Wako Activity Room ONEMILE・オンラインにて「世界が尊敬する日本人100人(Newsweek)」にも選出された、ルワンダ キセキの山田 耕平氏をお招きいたしました。
講演会では、「やってみよう、国際協力ボランティア!」というテーマのもと、Wako Activity Room ONEMILEとオンライン(Zoom)併用での開催となりました。
今回はなんと!!
現地ルワンダとZoom接続をし、ルワンダで活躍されている3名の学生に、具体的な活動内容についてお話を伺いました。
2003年12月~2006年3月までの経験
山田氏は、2003年12月から2006年3月までの期間、世界で最も貧困といわれるアフリカのマラウイで青年海外協力隊の村落開発普及員として、小さな子どもたちを集めてサッカーを教え、小学校に井戸を建設し、果実(バナナ、パイナップル)を加工してジュース販売し、そして地元の人たちの協力を得て灌漑(かんがい)を造ったりするなど、村の人々の生活向上に繋がるような活動をしていました。
そのような中でマラウイでは、HIV・エイズ問題が深刻化し、当時の国民の約15%、つまりは約6.6人に1人がエイズに感染していたそうです。検査を受けた方の約15%ですから全国民としてみると、さらに感染者数が多いと思われます。
山田氏は、深刻なエイズの感染拡大を「なんとかしたい!」と、エイズ予防啓発ソングを自らがプロデュースし、ヒットチャート1位を獲得。現地のスーパースターになりました。
日本でも2006年8月にCDデビューをされているので、気になる方は、ぜひこちら(手の届く世界に違いを作るキセキ)よりご覧ください。
ルワンダでの暮らし
青年海外協力隊での活動や、商社で約50か国飛び回り経験を積んだ後、2016年にルワンダへ移住しました。人口が1,200万人の小さな国のルワンダを生活拠点とした決め手は、環境面での安全性や女性の社会進出を進めていることでした。
日本では、夜に女性や子どもが出歩くことは、一般的なことですが、アフリカでは、一人で出歩くことができない国もあるそうです(一概には言えませんが、もちろん安全な国、夜に一人で出歩くことができる国もあります)。
また、ルワンダは女性の社会進出が非常に進んでおり、ジェンダー平等ランキングでは世界第6位、また議会の半数以上が女性であり、積極的に女性の社会進出を図っている国の一つです。
そのような、安全安心かつ女性の社会進出を積極的に図るルワンダへ、2016年にご家族で移住されました。
KISEKI-地域のお母さんが笑顔で暮らせる社会を創る
山田氏と妻の美緒さんは、2016年にルワンダへ移住後、ルワンダ初の高級日本食レストランをオープンし、富裕層や外国人の方々をメインにレストラン運営をしていました。レストラン運営をしていく中で、地域の貧しい子どもたちが、食べ残しを漁りに来る様子を何度も見かけ、何のためにレストランを経営しているのだろう、という問いをもち始めました。
そこで、子どもたちを助けるためには、そのお母さんたちの仕事を創るべきということで、特に生活の大変な、スラムのシングルマザーであるお母さんたちをレストランで雇用し、トレーニングを行いました。その後、コロナでレストランを締めることになるのですが、お母さんたちの雇用を守るため、ボランティア事業に特化しました。
KISEKIでは、「地域のお母さんが笑顔で暮らせる社会を創る」をコンセプトにコミュニティと連携し、シングルマザーの雇用創出と生活向上を目指すソーシャルビジネスとして様々な社会課題に取り組んでいます。
主な取り組みとして、働きやすい環境の整備、KISEKIで働くお母さんの子どもたちの学費全額補助や家族全員分の健康保険代の補助など福利厚生の整備を行いました。
また、日本からのボランティアとして、毎年、100人以上の中学生から60代の幅広い方々に、ご参加いただいています。
海外でのボランティアにご興味がある方、好きなことをシェアしたい方、何かを教えたい!など少しでも興味・関心がありましたら、以下の「KISEKI ボランティア・インターンシッププログラム」をご覧ください。
「KISEKI ボランティア・インターンシッププログラム」
地域の子どもたちの支援
ルワンダでは、5歳以下の子どものうち発育不全が38%、2歳以下の子どもの教育機関へのアクセスが1%など、子どもの教育環境が充実していません。この数字は、日本では考えられないことでしょう。
そこで、KISEKIでは、キミフルラ(幼稚園)を運営し、授業のサポート・実施、運動会・イベントの企画などを6年間行いました。
以前は、幼稚園という名称であるものの、校舎は物置小屋と化し、園児も先生も教育もゼロ(行われていない)、という状況でした。そこで、KISEKIは3教室の整備を行い、0名だった園児が今や、100名までに増加し、ルワンダで一番の幼稚園となったと思います。
また、ICT教育として1人1台タブレットを支給し、日本とシンガポールの教育機関を繋いでの授業実施、途上国で教育支援を行っている日本のコンサルタント会社と共同し、最先端のICT教育を提供しています。
ルワンダで活躍する3名の学生
本講演会では、Zoomで現地ルワンダにいる3名の学生から、活動内容など生の声をいただきました。
中込弥皇さん(ルワンダの少年サッカーチーム代表)
中込さんは、キミフルラフットボールクラブという少年サッカーチームで代表を務め、日本からサッカーボールやシューズなどをルワンダにいる子どもたちに届けるサッカーでの国際交流をしています。また、体の大きさなどといった身体能力の面で日本人と多くの違いがあることを学びました。
森本みずきさん(ヘルスチェック、歯磨きワークショップ)
森本さんは、大学入学当初から、途上国医療に興味を持ち、「まずは現地を見る」ということからインターンを始めました。主な活動として、1つ目はヘルスチェックを行いました。ルワンダでは各コミュニティに1人の保健師が割り当てられ、その保健師の方と一緒に子どもたちの身体測定を行いました。これまで紙でまとめられていた測定データに、新たにExcelを導入し、推移や変化を解析できるよう取り組みました。2つ目の活動として、歯磨きワークショップを行いました。ルワンダでは、歯磨きをする習慣がなく、虫歯によって歯が溶けてしまう子どもたちもいるため、まずはお母さんへ、子どもの歯磨き指導を目的としてワークショップを実施しました。お母さんの膝の上に子どもを寝かせ、歯を磨くという方法を紹介したところ、好評をいただきました。
人種による価値観の相違など、将来現地で働く上で不安に思っていましたがKISEKIに参加したこと、現地の皆さんとともに生活をしたことで、国を越えて分かり合える、という経験をしました。今後は、実際に医療現場に入り込み、将来どのような形で途上国医療に貢献できるか、何が求められているのかなどを見つけられるよう、進んでいきたいそうです。
田中沙季さん(裁縫のトレーニングセンター)
田中さんは、KISEKIが運営しているキミフルラ(幼稚園)の隣にあるDress For Twoという裁縫のトレーニングセンターで、ルワンダの若い女性と共に巾着やミニバックなどを作製し、将来的に彼女たちが一人前のテーラーとして卒業できるよう、技術の向上を目標に取り組んでいます。主な活動内容として、出席確認やテーラーの先生・生徒・KISEKIを繋ぐコンタクト係をしています。
ルワンダのママさんなど現地の方々と一緒に何かを取り組むことなど、KISEKIでの活動を通じて、成長を実感しました。今後は多くのことに挑戦していきたいと考えているそうです。
編集後記
ルワンダでのお話を聞き、私たちが不自由なく生活できることは当たり前ではないことを実感しました。日々の生活や環境に有難みを感じるとともに、私たちの”いま”を一生懸命に生きることが大切だと感じました。
山田さんには、日本にいては経験できないお話をいただきましたが、いかがでしたでしょうか。本講演会を通じて、皆さまの新たな価値観や気づきのきっかけとなれれば幸いです。
今後も、「わぴあ」を通じて、新たな「人」と出会い、「モノ」「コト」に触れるような「きっかけ」を提供して参ります。
最後になりますが、多くの方々の交流拠点となれるようにこれからも利用者さま・お客様への感謝の気持ちを忘れずに日々運営して参ります。
皆さま、最後までお読みいただきありがとうございます。
これからも「わぴあ」をどうぞよろしくお願いいたします!!
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