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和光市広沢施設整備・運営事業インタビュー(8)和光市企画部資産戦略課 前編

広沢複合施設整備・運営事業
和光市 企画部 資産戦略課 白川 将実 課長
和光市 企画部 資産戦略課 計画推進担当 村山 文人 統括主査、清水 佑輔 主査

 今回は、和光市広沢複合施設・運営事業を立案し、主管している和光市 企画部 資産戦略課の皆さんに本事業について語っていただきました。聞き手には、同課の岡田 直晃 主幹になっていただきました。

白川課長

和光市 企画部 資産戦略課 白川 将実 課長

(聞き手:岡田主幹)
 白川課長から「和光市広沢PFI」の紹介をしていただきたいと思います。

(白川課長)
 「和光市広沢PFI」は、和光市で初めてのPFI事業ということで、私たちも学びながら創ってきた事業です。
 どのような事業かというと、まずは、以前より立地していた広沢学童クラブを広沢小学校内に移転させることから始まっています。これは令和元年10月から稼働しています。次に、南エリアとして保健センターの移転建替え、児童発達支援センターと認定こども園の新設があり、令和3年4月からの運営を予定しています。児童発達支援センターと認定こども園は土地の造成までがPFI事業で、建物の建設と施設の運営は別事業であり、事業者の選定も別に行われています。最後に、北エリアとして総合児童センター、市民プール、そして、民間収益施設ということで診療所、温浴施設と駐車場の複合施設が2021年12月から運営する予定です。
 市民プールは広沢小学校と第二中学校に隣接していますので、小学校と中学校のプールとしても一緒に活用します。

(岡田主幹)
 北エリアに総合児童センター、市民プール、温浴施設や駐車場があって、南エリアに保健センター、児童発達支援センター、認定こども園といった福祉系の施設ができるわけですけれども、このような建物の配置はどのように決まったのでしょうか。

(白川課長)
 南エリアは国有地で、本事業の実施に際して国から購入しました。この国有地を購入する際に、国の要件があり、そのあたりを協議していく中で、南エリアに福祉施設を配置することになりました。

(岡田主幹)
 先ほど市民プールについて学校利用の話がありましたけれども、学校からプールに来る児童・生徒に気配りしたポイントはありましたか?

(白川課長)
 学校から最短距離で来られるように一般の方とは別の専用出入口はとしました。また、児童生徒専用の更衣室を整備しています。

(岡田主幹)
 本事業では、以前の施設にあったホンダ車のドライブシミュレーターや画家の三栖右嗣氏のモザイクアートをレガシーとして保存しましたよね。その件について、ご苦労がありましたか。

(白川課長)
 モザイクアートは、制作してから長い年月が経過しているため、詳しいことについて誰も覚えている職員がいませんでした。保存状態もあまりよくない状態でしたが、PFIグループに、たまたま草間彌生氏の作品制作なども手掛けられている市内企業が参加されていたので修復できました。

(岡田主幹)
 次に、資産戦略課の部署の紹介をしていただきたいと思います。

(白川課長)
 資産戦略課は主に公共施設マネジメントを行っている部署で、施設の適正配置とか営繕業務を行っています。
 このような業務の中で今回のPFI事業もやっています。和光市広沢複合施設整備・運営事業は、平成28年に私が政策課に異動して、大規模漏水で運営を止めていた市民プールについて、民間活力による市民プールの再生と児童センターの建て替えのプロジェクトとして命ぜられました。PFI事業のことを全く知りませんでしたので、まずはPFIの勉強からやらせていただきました。そのなかでなんとかしなきゃいけないなと。
 当時はどのように進めたらよいか悩んでいましたが、正式なプロジェクトチームが立ち上がり、メンバーも増えていく中で、当時、和光市で公共施設マネジメントを専門的に扱う部署を作ることとなり、平成29年1月に資産戦略課が誕生しました。

(岡田主幹)
 これ以外の業務として、どのようなものがありますか。

(白川課長)
 「市庁舎にぎわいプラン」と言いまして、保健センターが広沢複合施設に移転することにより、今度は市役所側にあった古い保健センターの活用や市役所の低未利用スペースの利活用を図ってまいります。

(岡田主幹)
 白川課長は若い時には、児童センターにいらっしゃったのですよね。

(白川課長)
 そうですね。児童センター職員を1年間だけやらせていただいたのですが、充実した1年間でした。当時来ていた常連の子供たちから、10年後に道端で声をかけられまして、子供たちにとってたった1年でもかけがえのない時間なんだと改めて感じました。そんなこともあって、児童センターというのは非常に大切な施設だと感じています。

村山さん

和光市 企画部 資産戦略課 計画推進担当 村山 文人 統括主査


(岡田主幹)
 次は村山さんと清水さん、お願いします。

(村山統括主査)
 私は民間から中途採用で来たんですけれども、それまでは都市計画のコンサルタントをやっていました。和光市に来てからは建設部で都市計画業務を担当していました。
 基本的には計画づくりなので、なかなか建物の建設に繋がるということは少なかったです。それが資産戦略課に来てから、計画づくりから実際の建物ができる、建物ができる途中にも関わることができて大変有意義だと思っています。
 特に今回は大きな開発なので、初めて都市計画の開発協議とか市の開発に関する協議のことをやって、そのあたりも相当大変だなということを実感しました。基本的には計画づくりから着工までが私が担当している業務になります。

(清水主査)
 僕は、民間の不動産会社から公務員に転職をして、主に建築の審査の担当や、下新倉小学校の設計・建設、公園の管理・整備などに携わってきました。
 今回の広沢複合施設では、主に優先交渉権者が決まってからの設計の段階で、庁内や外部との調整業務をやってきました。
 通常の公共事業と今回の事業で大きく違い、良いなと思うところは、通常の公共事業だと、運営者がいない中で設計をしていきますが、今回は運営する方も決まった中で設計業務を進めてきたので、これから携わっていくメンバーと一緒に事業を創っていけたことが魅力だと感じています。

(岡田主幹)
 他市でもこういうプロジェクトを担当して悩むのが、事業者と許認可を担当する部署の関係です。何か気を付いたことがありましたら教えてください。

(清水主査)
 僕は建築の審査側の立場にいたことがあったので、事業者の方が気になりそうな点をケアしていきました。民間と一緒にやっていきたいというスタンスで、ずっと仕事をしています。
 逆に、市役所側の各所管にも事業者の方はどう考えるのかということを協議の中で伝えて、事業者と市役所という関係ではなくて、お互いの考えを伝えたうえで協議に臨んでもらうことを心がけています。

(村山統括主査)
 PFI事業は、一般的には民間事業者に任せきりになってしまうことも多いと思うんですが、やはり公共の事業ですから責任をもって、事業者の考えを伝えながら「橋渡し」をしていくことが必要だなと思っていました。


清水さん

和光市 企画部 資産戦略課 計画推進担当 清水 佑輔 主査


(コンテンツ制作:一般社団法人和光市広沢エリアマネジメント 代表理事 小松 裕介)

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