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企業のダイバーシティ推進やLGBTQ取り組みを応援したい

こんにちは、はじめまして。WAKKA プロジェクトのイケダと申します。

この note では、企業のHR担当者ダイバーシティ&インクルージョン推進担当者のほか、そもそもダイバーシティとは?インクルージョンって何?という疑問を持たれている方、もっと日本の企業をクールで働きやすく面白くしたい方向けに、企業のダイバーシティ推進LGBTQ 取り組みをサポートするための記事を書いていきたいと思います。

ざっくりと、

  • 人としてより豊かになりたい

  • 社内の風通し・働く環境をよくしたい

  • 日本の企業を盛り上げたい

というようなところをゆるいゴールに設定しつつ、国内・海外企業の活動事例やまとめをご紹介したり、皆さんの役に立ちそうな情報や、ダイバーシティ推進を進める上での不安や悩みなどについても取り上げていけたらと考えています。

第一回目の今回は、
ダイバーシティの推進が一体企業にどんな価値を生むの?

という疑問について、現状のおさらいをしつつ特に
組織が多様性を持たないことのリスク
の観点などを交えて掘り下げていけたらと思います。
いいねやコメント等、はげみになりますので、ぜひよろしくお願いします!


1. 【日本は遅れている?】ダイバーシティ取り組みの現在地

まず、国内のジェンダー・ギャップや LGBTQ に関する現在地をみてみましょう。

(内閣府男女共同参画局による「男女共同参画白書 令和4年版」)

就業者の女性の割合はそれほど差はありませんが、管理職の比率は日本は 13.2 % とかなり低く、差がありますね。

LGBTQ に関する取り組みについてはどうでしょうか:

(厚生労働省による職場におけるダイバーシティ推進事業報告書 令和2年版

従業員別にみると、1000人以上の規模の大きい企業では 43.1%、一方、全体では 10.9% とかなり下がります。

取組の中身をみてみると:

(経団連資料「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」)

ハラスメントに関する社内規定やセミナー、相談窓口の設置が主な取り組みで、採用活動における配慮や人事制度の改定は 50% を下回っているのが現状です。

2. 【背景分析】なぜ今ダイバーシティが求められているの?

まず、「ダイバーシティ(Diversity)」と「インクルージョン(Inclusion)」、それぞれの言葉の定義からみてみましょう:

ダイバーシティ(Diversity)とは、日本語で「多様性」の意味で、人種・性別・宗教・価値観などさまざまに異なる属性を持った人々が、組織や集団において共存している状態を示します。

NECソリューションイノベータ

インクルージョンとは、直訳で「包括」「包含」「包摂」などを意味する言葉です。 ビジネスにおいてインクルージョンは、企業内すべての従業員が尊重され、個々が能力を発揮して活躍できている状態を示します。

NECソリューションイノベータ

つまり、企業におけるダイバーシティ&インクルージョンとはさまざまな人材が共存しそれぞれが尊重され能力を発揮できる環境、ということになります。
それがなぜいま企業に求められているのか。背景には主に下の 3 つの理由があげられます。

  1. 市場のグローバル化と加速度的な変化

  2. 顧客ニーズの多様化

  3. 労働人口の減少とワークスタイルの変化

現在、市場のグローバル化が進み、変化のスピードも加速しています。生活スタイルや価値観、顧客ニーズも多様化する背景の下、企業は多様な属性や感性を持つ人材を採用し、変わりゆく時代のニーズに迅速に対応する必要があります。
また、少子高齢化により労働人口が減少する中、従来の労働条件に固執することは難しくなっています。コロナ禍によるリモートワークの普及や労働者のワークスタイルの変化も、企業に多様な労働力を求める要因となっているといえるでしょう。

3. 【リスク】多様性のない組織に起きること

ここで「多様性」とは反対の、「一様性」について考えてみましょう。
組織が「一様」であることは、いくつかのメリットがあります。例えば、意思決定を迅速化し、タスクを効率化することができます。また、チームワークと協力を促進することもできます。

一方、多様性のない組織であることは下記のような潜在リスクを含みます。

  1. 創造性と革新性の欠如
    一様性が強い環境では、新しいアイデアや革新的な解決策を生み出すことが難しくなる可能性があります。なぜなら、誰もが同じように考え、同じように行動することを期待されるため、異端児や型破りの考え方が抑圧される可能性があるからです。

  2. 適応性の欠如
    変化する環境に適応することが難しくなる可能性があります。なぜなら、人々は新しい状況や課題に直面したときに、新しい方法で考えることに慣れていないからです。

  3. グループ思考
    グループ思考とは、集団意思決定において、個人の判断よりも集団の調和を優先することによって、客観的な判断や適切な意思決定が阻害される心理的現象です。一様性が強い環境では、グループ思考が起こりやすくなり、それが悪い意思決定につながる可能性があります。

  4. 責任の所在の不明確さ
    問題が発生した場合、誰が責任を負うべきかが不明確になる可能性があります。なぜなら、誰もが同じように行動しているので、誰が間違いを犯したのかを特定するのが難しいからです。

  5. 従業員の士気の低下
    従業員が単に歯車のように扱われていると感じると、モチベーションと士気が低下する可能性があります。なぜなら、自分の仕事に意味を見出すことができず、自分の貢献が評価されていないと感じているからです。

風通しの良くない、多様性をもたない組織は、責任の所在が不明瞭で士気も低く、生産性や創造性も低下してしまうという悪循環につながりやすいんですね。画一的な組織はリスクに弱い、という側面があるといえます。
皆さんの組織はいかがでしょうか?私も耳が痛いのですが、頷かれる方も多いのではないでしょうか。

4. 【メリットたくさん】ダイバーシティを推進しよう

企業がダイバーシティ&インクルージョンを推進することのメリットには、大まかに下記があげられます。

  1.  イノベーションの創出

  2. 従業員満足度の向上と人材の活性化

  3. 市場理解の向上と競争力強化

  4. 持続的な成長の実現

多様なバックグラウンドを持つ人材が集まることで、画一的な考え方に陥らず、新しいアイデアやイノベーションが生まれやすくなり、従業員のモチベーションやエンゲージメントも向上します。
また、多様な顧客ニーズを理解し、それに対応した商品やサービスを開発することができます。優秀な人材を獲得しやすくなり、企業の競争力強化にもつながります。変化する環境に適応し、多様な人材の能力を活かすことで組織全体の力が強化され、組織の成長や発展につながります。

ダイバーシティ&インクルージョンに積極的に取り組むことは、社会的に責任のある企業として評価され、企業イメージが向上する利点もあります。投資家や顧客からも支持を得やすくなり、企業の競争力強化にもつながる、ポジティブなサイクルを生みます。

5. 【まとめ】

ダイバーシティ&インクルージョン推進は、単なる倫理的な問題としてではなく、経営戦略として積極的に取り組むことで、様々なメリットをもたらします。一方、多様性を持たない組織はリスクを抱えることになります。

多くの国内企業で取り組みがあまり進んでいない現状は、企業にとって大きなチャンスでもあると言えるかもしれません。

また、「ダイバーシティ」や「インクルージョン」というと大それた言葉のように聞こえますが、実はそれぞれ人には一人一人違いがありますよね。個人レベルで大切だと思うのは、少しの「違い」に気づくことなのかなと感じています。その「違い」を受け入れ、尊重し、時には衝突もするかもしれないが、その中で解決策を模索していく。何も見つからないかもしれないし、ただ単に傷ついたりするだけのこともあるかもしれない。
でも、もしかしたら、そこに新しいアイデアや、イノベーションのヒントが隠れされているのかもしれません。

さて、少し長くなってしまいましたが今回はこの辺で。

WAKKAプロジェクトは映画を通じてLGBTQについて考えるきっかけを作る活動を行っています。
これからも情報発信をする上で、皆さんのお役立てできたら嬉しいです。
次回の記事をお楽しみに。
それでは皆さん、良い週末を!

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