【240字】魔法の時間
魔法の時間
街角の古書店で見つけた一冊の本。タイトルは『魔法の時間』……開くと、真っ白な紙が次々とめくれていく。そこに浮かび上がる文字。
「あなたの人生を変える魔法の時間です」
その瞬間、世界が歪んだ。私は本の中に吸い込まれ、異世界へと飛ばされた。
そこは、私の記憶そのものだった。過去の自分が、未来の私に語りかける。
「本当の謎は、あなたの中にある」
気がつくと現実に戻り、本は消えていた。鏡に映る自分の姿。目が覚めたような気がした。
けれど、これは夢の始まりだったのかもしれない。