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高架ではなかった頃の中央線

中央線の三鷹~立川間の高架工事が始まったのは1990年代後半らしい。学生時代の最寄り駅だった国立駅も、その頃から大きな変貌を遂げることとなった。

高架化が始まる前の三鷹~立川間は長閑だった。私が大学へ行くのに使っていた中央線部分は中野~国立間だったのだが、国電(この言い方もすでに昭和的だ)らしかったのは、中野~三鷹ぐらいのもので、三鷹を過ぎるともう郊外路線の風情。国分寺駅なども、西武多摩湖線と西武国分寺線と接続しているにもかかわらず、また乗降客数も多かったにかかわらず、ローカルな雰囲気が忍び込んでいた。

東小金井あたりにしても、当時は駅前にビルらしいビルがほとんど見当たらなかったし、それは武蔵小金井も同様だった。国立だって高層建築は無いに等しかったからね。

いやはや、あれがもはや30年以上も前のことだなんてにわかには信じがたいくらいだ。その後の中央線の変化が記憶の中ではまるで欠落しているがゆえに、非高架時代の中央線は昨日のことのように思い出されるのである。

そして旧い中央線は、その頃行き来した同級生の下宿とかアパートとか、沿線のどうということはないがなぜか記憶に残っている小さな風景とかに連なっていて、どうやら自分の意識の底のどこかでいまだに走り続けているらしいのだ。

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